「農民」記事データベース20110725-982-09

旬の味


 梅雨が明けて真夏到来だが、山に入ると毎日のように雷を連れてにわか雨がやってくる。道沿いには、にわか雨に濡れた満開のアジサイが多彩な花を咲かせ、しばらく楽しめそうだ▼福島県内の畜産農家が出荷した肉牛から、基準値を超える放射性セシウムが検出された。愛媛に本社があるスーパーを通じて高知や徳島の2つの店舗で汚染牛肉が販売され、購入した消費者から県に問い合わせ相談が相次いでいるという。さらに、原発から遠く離れたところから、稲わらや牧草から基準値を超える放射能が検出され、食への不安、行政への不信、東電への怒りが広がっている▼畜産農家が悔しい思いを心に秘めながら「わが家を踏み台にチェック体制が確立され、一日も早く牛が出荷できるようになれば」と語っていた。かつて28年間、畜産にかかわった者として、その言葉のなかに、生産者としての反省と責任、消費者への謝罪、そして仲間である畜産農家への忠告と励ましが含まれていたことを、感じざるをえなかった。

(森)

(新聞「農民」2011.7.25付)
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2011年7月

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