「農民」記事データベース20110718-981-15

手づくりイカ飯に表情明るく

神奈川農産物供給センター
南相馬(島福)に救援物資も

関連/農業は楽し 魅力広めたい


 神奈川農畜産物供給センターは6月25、26の両日、福島県南相馬市にある避難所と仮設住宅で、炊き出しと救援物質の提供を行いました。センターの職員や神奈川、東京の新婦人の役員など17人が参加しました。

 炊き出しは2組に分かれて5カ所で行いました。献立の目玉は、センターの職員による「手作りイカ飯」。大鍋で時間をかけて煮込んでいると、あたり一面に香りが立ち込め、避難所の方々と自然と会話に。できあがった鍋のフタを開けると「わぁ、すごい!」と、配膳を待つ方々の表情がパッと明るくなりました。口にすると炊き上がりのやわらかさにビックリ! 年配の方にもたいへん喜ばれました。

 夜には、浜通り農民連の方々と交流会。その中で地元の会員の女性から、原発事故にかかわって夫を亡くされたことが知らされました。入院していた病院が閉鎖されて県外に移転することになり、やむなく退院。そして1カ月後に亡くなったそうです。「原発がなければ、主人はもっと長生きできたのに」と、涙ながらに人災である原発事故に無念さをにじませていました。避難で一時散り散りになってしまった農民連の会員の皆さんは、今は政府と東電への賠償請求行動に向けて結集しています。

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避難所の体育館で交流

 翌日には、産直センターふくしま「産直カフェ」と、組合員のさくらんぼ農家を訪ねました。さくらんぼの最盛期ですが、出荷規制がないにもかかわらず、「風評被害」で売り先が減り困っていたそうです。震災にも原発事故にも負けずに最後まで丹精こめて育てたさくらんぼは、甘くて大きな実を結んでいました。参加者は「少しでも農家を応援したい」と、お土産用にもたくさん買って帰りました。

(農民連ふるさとネットワーク 笠原尚)


農業は楽し 魅力広めたい

NPO法人 農の未来ネットがセミナー

 NPO法人・農の未来ネットは7月2日、都内で、東京農業大学総研研究会バイオビジネス部会と共催で、セミナー「平成農業はオレがやる! 農業は楽し」を開きました。同ネットは、アグリ・ボラバイト事業を通して農業・農村に多くの人を誘い、食料自給率の向上をめざしています。このセミナーは、農業の楽しさや魅力をアピールしようと開いたもので、35人が参加しました。

 セミナーでは、同ネット理事長の倉本器征氏(東京農工大学名誉教授)があいさつした後、武蔵大学教授の後藤光蔵氏が「農業就農者の現状と将来展望―非農家出身者の就農を中心に」と題して基調報告しました。また、農業生産法人(有)トップリバー代表取締役社長の嶋崎秀樹氏が「平成の農業―人材育成と雇用と地域活性」と題して援農者受け入れについて、専業農家の飯野良治氏(茨城農民連)が「農業従事者確保の地域事情」について話しました。

 飯野さんは「遊休農地の割合が茨城県内で3番目に多い阿見町では、谷津田を再生するために、茨城大学農学部の学生と一緒になって10年計画のプロジェクトに取り組み、今年で8年目になる。発想を変えれば荒れた竹林も遊休農地も宝の山。竹林でジャズやクラシックなどの演奏会を行ったり、タケノコ掘りをすれば都市住民と交流もできる」と経験を述べ、竹を使った町おこしが始まっていることを報告しました。

(埼玉農民連 西村正昭)

(新聞「農民」2011.7.18付)
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2011年7月

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