「農民」記事データベース20110718-981-02

7・2緊急行動2万人

農民連ブース 原発ゼロへ多彩な企画

関連/原発撤退求め国民大運動を


自転車発電で“かき氷”
ペットボトル風力発電
手づくり藍染めうちわ

 東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故を機に、「原発なくせ」の世論が広がるなか、農民連、全労連などの各団体・労働組合でつくる実行委員会は7月2日、東京・明治公園で「原発ゼロをめざす緊急行動」を開催し、約2万人が参加しました。農民連は、原発による農産物被害に立ち向かい、放射線による影響を科学的に検証しながら、それに代わる代替エネルギーへの展望を示しました。

 ブース企画で、農民連青年部による自転車発電のかき氷には、子どもからおとなまで幅広い世代が挑戦。汗をかきながら自転車をこいで発電し、電気を使ってでき上がった冷たいかき氷がのどの渇きをいやします。東京都大田区に住む立石裕樹君(小学6年生)は「自転車をこぐのは難しかったけど、かき氷ができると、達成感があっておいしいです」と笑顔でした。ペットボトルを加工して風車をつくり、風力発電を起こす企画に親子で挑戦する姿も。

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自転車をこいで汗をかきかき“かき氷”
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福島県農民連のみなさんと「原発ゼロを」と訴える大橋芳啓・元霊山町長

 手作り藍染めうちわコーナーでは、参加者の表情は真剣そのもの。思い思いにデザインし、涼しさを表現します。横浜市から来た山本みかさん(50)は「自然素材がいいですね。和紙の張り方など丁寧に教えてくれました。パレードのプラカード代わりに使います」と話していました。

 農業とエネルギーについての考えを問うシール投票では、「電力生産で安定した収入があれば就農してもいい」との問いには圧倒的多数が「イエス」の回答でした。


原発撤退求め国民大運動を

7・2集会 被災地農民が現状報告

 農民連食品分析センターはガンマ線サーベイメーターを使って、放射能測定を実演し、会場内の各地点の放射線量を測定したほか、持ち込まれたキュウリ、キャベツ、お茶などを調べました。

 ふるさとネットワークは、「被災地の支援を」と呼びかけ、福島産のサクランボ1000パックを2時間で売り切り、おにぎりや赤飯も早々と完売。日本販売農業協同組合連合会と食健連が取り組んだキュウリバーとパインバーには行列が途切れなく続いていました。

 午後からのメーン集会には、各弁士が原発ゼロへの思いを発言しました。日本共産党の志位和夫委員長が来賓あいさつし、「原発からの撤退の一点で力を合わせ、それを強く政府に迫っていこう」と呼びかけました。

 福島瑞穂社民党党首、イタリア労働総同盟のメッセージが読み上げられました。

 団体・参加者の発言で、福島県北農民連会長の大橋芳啓さん(元霊山町長)は「4月26日の東電前の抗議行動で、命がけで核兵器反対、脱原発を訴えた樽川久志さんの遺影と一緒に一刻も早い事故の収束を訴えました。6月には『原発さえなければ…』と書き残して、54歳の酪農家が自ら命を絶ちました。全面賠償を国・東電に求めます。同時に再生可能エネルギーの拠点に、除染研究の中心に、福島の農山村を使ってください」と訴えました。

 福島県から避難し、千葉で農業を営む三浦草平さんは、「震災で家族4代にわたってつくってきた農業の礎を失い、故郷を追われました。ぼくが被災して見た光景は、人間が人間らしく生きることも、死ぬこともできな

い地獄でした。こんな悲劇を二度と起こさないために力を貸してください」と発言しました。

 最後に「今日を契機に、原発ゼロをめざす大運動を開始しましょう。この場に集まった私たちが、大運動の先頭に立ちましょう」とするアピールを採択。終了後、プラカードや横断幕、ムシロ旗を掲げて、都内をパレードしました。

(新聞「農民」2011.7.18付)
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2011年7月

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