もう一度自然豊かな福島を原発なくそう!呼びかけていこう 全国に全世界に
農民連も参加するふくしま復興共同センター(以下、共同センター)は6月25日、「原発なくそう! もう一度自然豊かな福島を」を福島市の中心部にある「街なか広場」で開き、農民をはじめ県内外から1000人余りが集まりました。そして、「政府に対し、原発から撤退する決断をせまり、国民的合意をつくるために運動しよう」「世界に類例のない原発被害を受けた私たち福島県民は、決してあきらめません。すべての県民が力を合わせ、全国に、全世界に呼びかけていこう」と誓い合いました。
県民集会に1000人5首長からメッセージ集会では、共同センター代表委員で県労連議長の斉藤富春さんが、共同センターのこれまでの取り組みを報告し、「原発に依存しない、安全・安心で持続的に発展する社会づくりを日本、世界に広げよう」「放射能汚染の綿密な放射能マップを作成し、汚染の除去などあらゆる対策をとらせよう」「あらゆる損害について、東電に損害賠償を請求しよう」など、今後の課題を提案しました。
安全・安心な県にまた斉藤さんは「50万枚のアンケートはがきの付いたチラシを新聞に折り込んだ」と述べ、返信のはがきには「子どもが『自分はがんで死んだんだ』と言った時の心の痛み、わかりますか? 福島を安全・安心な県に戻して!」「いまの状況では安心して子育てできないので、福島から自主避難すべきか毎日悩んでいます。できれば自主避難したくないので、福島全体の除染を一日も早く進めてください」など、多数の怒りと不安の声が寄せられていることを紹介しました。また、放射能汚染から子どもを守る運動に取り組む母親や、損害賠償を求める酪農家(別項)、業者、原発ゼロをめざす労働団体から、切実な訴えがありました。
県民は決してあきらめない安全な農地かえせ集会後、県内各地から参加した農民連の会員は、のぼり旗やプラカードを持って「安全な農地をかえせ」「東電は損害を賠償しろ」などと声をあげ、元気にパレードしました。
県北農民連の八巻洋一さんは「原発にはまったくこまったもんだ。この間、支部ごとに損害賠償の学習会や計算会を開いているが、会員以外の農家が半分近く参加している。こうした農民連への期待にこたえ、一日も早い賠償をかちとっていきたい」と話していました。
南相馬市、川俣町、新地町、浪江町、飯舘村の5人の首長からメッセージが寄せられ、日本共産党の大門みきし参院議員が国会報告しました。
これ以上、犠牲者出さないよう一日も早く損害賠償してほしい飯舘村・酪農家、県酪農協理事 長谷川健一さん(58)50頭の牛を息子といっしょに家族で飼ってきました。地震で停電になり乳が搾れなくなり、回復したと思ったら今度は原発事故による出荷制限です。搾った乳は毎日捨てざるを得ない。しかし、エサは与えなければなりません。収入が途絶え、エサを減らすと牛はどんどんやせていきました。酪農家として非常にむなしかった。 それまで「村は安全だ、心配すんな」と言ってきたのに、4月11日、突然「避難しろ」です。こんなバカにした話がありますか。村には11戸の酪農家があり、夫婦全員集まって話し合いました。そして「休止」と決めました。しかし国・県・行政からは何のフォローもなかった。そして次に、牛の殺処分です。と畜場に向けて牛を積んだトラックが走り出すと、お母さんたちもいっせいに追いかけるんですよ。連想してみてください。こういう状況がいま、福島で起こっているんです。
処分も終わって何事もなかったなと安心していたところ、6月10日、友人の酪農家が「原発がなかったら」というメッセージを残して自ら命を絶ちました。私が一番恐れていたことが起こってしまった。私は酪農協の理事として二度と犠牲者を出さないために、酪農家に対して国・県・行政とともに徹底したフォローをしていかなければなりません。 私もまもなく村を離れ避難所に行きますが、女子高校生の悲痛な叫びを聞きました。「将来、私は結婚できるんだろうか。子どもを産めるんだろうか。もし子どもを産んだらとんでもない子が生まれてくるかわからない」―みなさん、わかってください。いま、福島ではとんでもないことがおこっているんです。 国と東電は、一日も早く原発事故を収束し、損害賠償をしてください。
(新聞「農民」2011.7.11付)
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[2011年7月]
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