「農民」記事データベース20110704-979-11

旬の味


 湿度80%に30度の暑さが加わり、不快指数も最高潮。この蒸し暑さのなかで、水田の苗はぐんぐん大きくなりしっかり根づく。稲の成長のためならガマン、ガマンとしたたる汗をぬぐう▼そういえば、いま盛んに「ガマン、ガマン」が叫ばれている。原発事故による「電力不足」で、公民あげて節電キャンペーンが賑(にぎ)々(にぎ)しい。梅雨期の不快指数は、この節電キャンペーンのおかげでますます高まっているようだ▼原発推進でふんだんに電気を浪費しておきながら、事故が起こるや「電力不足で節電を」とは、どうにもうさん臭さを感じずにはいられない。結局は「原発がないとガマンの生活ですよ」という“おどしキャンペーン”ではないか▼政府が本気で節電を呼びかけるなら、原発事故で地球を汚染した当事国として、ドイツ、イタリアに先んじて「脱原発」を宣言すべきだ。国民に節電を押し付けていまだ原発に固執する日本政府は、本当に恥ずかしいかぎりだ。太陽の光と土と水で育つ稲を少しは見習えと言いたい。

(中)

(新聞「農民」2011.7.4付)
ライン

2011年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2011, 農民運動全国連合会