いわき市避難所で炊き出し
福島 茨城農民連20人
餅つきと豚汁づくりに奮闘
茨城農民連は6月10日、避難所となっている福島県いわき市の平体育館で炊き出しを行いました。県連から20人が参加し、いわき市で活動しているフォークソンググループ「雑魚塾」の3人も、県西農民センターの呼びかけに応えて手伝いにきてくれました。
参加者は、餅(もち)つき組と豚汁組に分かれて手際よく作業を開始。きな粉餅と大根のからみ餅、そして豚汁と漬物を用意しました。ここの避難所には今でも103人が生活していますが、1メートルぐらいの高さの段ボールで囲いがしてあるだけ。原発事故で避難している人もたくさんいます。
餅つきも好評で、小さい子どもさんもいっしょに楽しんでいました。「久しぶりに餅が食べられた」とたいへん喜ばれていました。なかには「近所のアパートに避難していますが、食べさせてもらえるんですか」と来てくれた人もいました。
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いわき市の避難所で炊き出しに参加した茨城農民連のみなさん |
また、精米300キロ、玄米30キロ、もち米30キロのほか、タオル、下着類、野菜などを支援物資共同センターに届けました。これらの物資は、小分けして個人で避難している方に届けるそうです。
帰りには、津波で大きな被害を受けた塩谷崎灯台近くに寄ってきました。テレビの映像では見ていましたが、実際に見ると津波の威力のすごさが実感させられます。ペチャンコになった車や柱だけの家など、あ然とする光景は想像を超えるものでした。
近くにいたご夫婦に話を聞いたところ、この地区で120人が亡くなり十数人がいまだに行方不明だそうです。ご夫婦も「大黒柱に必死につかまり、胸まで水につかりながらもなんとか助かった」と語っていました。
震災から3カ月過ぎても、不自由な避難生活を続けている方々がまだまだたくさんいることを実感し、これからも長い支援が必要だと感じました。
(茨城農民連 大内逸雄)
(新聞「農民」2011.7.4付)
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