「農民」記事データベース20110411-968-17

旬の味


 ここも大震災の被災地だが、家屋の一部が損壊した程度だったので、被害の大きい地域の仲間に炊き出し用の食材や支援物資を送った▼電気も水道も復旧して日常生活に戻り、みんなの笑顔が見られるようになったのに、福島第一原発の事故で、一部の野菜や牛乳の出荷停止が始まった。風評被害で県内野菜はみんな価格が下がり、買い手がつかない状況が続いている▼テレビで農民組合の仲間がインタビューを受けていた。つい先日の税金計算会では、「息子夫婦が農業を継ぐことになった。ホウレンソウを任せているが、来年収益が上がるのが楽しみ」とうれしそうに話していたのに▼『一本のライ麦の根は、ぜんぶをつなげば600キロメートルにおよび、根はさらに1400万本もの細い根に分かれ、毛根の数というとあわせてじつに140億本。みえない根のおどろくべき力にささえられて、はじめてたった一本のライ麦がそだつ』(長田弘詩集より)▼たくさんの根を張ろう。深く広く。東北の仲間たち、負けないで。

(澄)

(新聞「農民」2011.4.11付)
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2011年4月

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