「農民」記事データベース20110404-967-10

旬の味


 原発人災が被災地への救援を妨げ、被害をさらに深刻にしている。首都圏の水道水から基準を超える放射性ヨウ素が検出され、幼子を持つ母親を震え上がらせている。農家は生乳を捨て、一部の野菜は出荷停止に追い込まれている。終わりが見えないなか、これほどの苦行があろうか▼原発復旧に向けて懸命の作業が続いているが、下請労働者が被曝(ばく)し、消防隊員の妻は「日本の救世主になれ」と涙を振り払って夫の背中を押す。こうした人たちがこの難局を支えているのだ▼菅首相は「よりよい日本を作り上げようではないか」と呼びかけた。「わずか震災2日後に、頭のどこをたたけばこういう言葉が出てくるのか。誰が励まされると思っているのだ」と脚本家の内館牧子さんが怒っている。ある大臣は消防隊員に向かって「処分するぞ」と恫喝(どうかつ)した。なんてやつらだ▼農民連の会員から「被災農家を受け入れたい」という申し出が相次いでいる。ここにも連帯の輪が広がっている。東北の桜も春を待っている。

(新聞「農民」2011.4.4付)
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2011年4月

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