「農民」記事データベース20110404-967-04

集荷円滑化米(飼料米)を主食用へ

安く買い上げ、用途変更とは…


農水省筒井副大臣がでたらめ発言

 農水省の筒井信隆副大臣は3月17日、記者会見で22年産米の“過剰米処理”として「米穀安定供給確保支援機構」が飼料用に買い上げた17万トンを、主食用に利用することを検討していると述べました。

 この発言は、スーパーの米売場から米がなくなり、米屋さんに行列ができるほど米流通が混乱しているなかで、「備蓄米の放出や生産調整の緩和はあるのか」との記者の質問に答えたもの。

 筒井副大臣は、米卸大手10社に供給増を要請し、今の状況は早急に解消されると強調。そのうえで、「それでも足りなかった場合には、集荷円滑化事業で買い上げたコメがある。22産米だから、当然、主食米に回せる。さらには、「それで足りなかった場合には、直ちに備蓄米を放出する」というものです。

 これは、二重、三重に重大な内容を含んでおり、許されるものではありません。

 集荷円滑化対策基金を活用した17万トンの米は、民主党政権が過剰米処理を拒否していたもとで、下落し続ける米価に歯止めをかけるために民間レベルでやむなく実施。飼料用として1俵60キロ1万500円という、生産費を6000円も下回る価格で買い上げたものです。いまさら主食用に回すというのは、詐欺的行為といわなければなりません。そもそも17万トンは政府が所有するものではなく、政府が勝手に使うこともできません。

 この問題について、農民連の問い合わせに対し、農水省の担当者(食糧部計画課)は、「副大臣の意図と表現が、必ずしも一致しなかった」と苦しい答弁。備蓄米を放出する前に集荷円滑化米を回すことは「ありえない」と、副大臣発言を全面的に否定しました。

 地震と津波、原発事故、食料不足…、国民が未曾有の危機にあるなかで、副大臣のこうしたでたらめな発言は、今の民主党政権を象徴しています。

(新聞「農民」2011.4.4付)
ライン

2011年4月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2011, 農民運動全国連合会