農民連、食健連が農水省に
|
関連/被災会員の懸命な奮闘に感銘 /大震災救援募金 受けつけています |
被災農家の救援対策では、被災地を最優先に戸別所得補償の追加払いをすぐに行うよう要求。農水省は「今月30日までにほぼ100%支払い終える」と答弁しました。牛乳が出荷できずに廃棄している酪農家への補償と緊急支援については、「予算措置がなく、生産者団体の互助的な取り組みに頼っている。他の農産物など全体の枠組みの状況を踏まえながら、今後検討する」と述べるにとどまりました。参加者は「収入が途絶え、えさ代や燃料代などコストもかかる。ただちに経営支援がなければ廃業必至だ」と、緊急の対策を強く求めました。
福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故について、出荷停止や風評被害を含めて全面的な補償を要求しました。これに対して農水省は「原子力損害賠償法の枠組みのなかで、第一義的には東京電力が賠償する。それで不十分なら政府が補償する」。風評被害には「原発事故との因果関係が認められれば賠償の対象になる」と答弁しました。参加者は、収入が途絶えて生活費もままならない実態を突きつけ「『損害は賠償される』という方針を農家に周知し、一刻も早く実施せよ」と求めました。
あわせて東京都卸売市場が、基準値を超えた放射性物質が検出された自治体に対し、すべての青果物の出荷自粛を押し付けている問題や、量販店などが米卸に原発から半径80キロ内で生産された米について、放射能検査を義務付けている問題を指摘。「国民に正確な情報を伝え、根拠のない出荷自粛や市場受け入れ拒否がないよう監視・指導せよ」「原発事故より半年も前に収穫し、ねずみも入らない倉庫で紙袋保管し、食べる段階で精米する米は安全だとする農水省の見解を出すべきだ」と要求しました。
さらに被災地の食糧確保を最優先にしつつ、消費地の米や食品の流通安定と、米の過剰を前提にした来年度の生産調整を抜本的に見直すよう要求。
これに対し、主産地で作付け不能な状態の水田が広がっており、米不足になる危険があると指摘。「作付け可能な水田面積もつかんでいないのに、“米は余っている”という認識は無責任だ。今こそ増産政策に転換せよ」と強く求めました。
大崎市にある宮城県連事務所に支援物資を届け、黒沢稔さんの案内で山形・庄内農民連が炊き出しを行っている東松島市の矢本西公民館へ。途中、列車が脱線して立ち往生していたり、道路のひび割れ・陥没が目立ちます。黒沢さんは「ゆれの強さのわりには、家屋への被害が少なかったのが不幸中の幸い」と話し、田んぼの水路被害が心配で「今年の田植えは一カ月以上遅れるだろう」ということでした。
避難所となっている公民館で矢本農民組合のみなさんと会いました。津波で家やビニールハウスなどが全壊している会員さんが、避難している住民の方々のお世話を一生懸命やっている姿に感銘を覚えました。
矢本地区の避難所を訪れた白石本部長 |
自らも被災し、父親と妹さんを亡くされた武田久夫さんの案内で、被災地へ行きました。津波は沿岸の松林を乗り越え、自衛隊航空基地をも一気に通過して集落に襲いかかりました。一面瓦礫(がれき)とゴミの山。家も車も押し流し、手の付けられない惨状にただ息を飲むばかりでした。
武田さんはビニールハウスでは、キュウリを栽培していました。ちょうど今年初めての収穫が終わったばかりでした。水田は海水が引かず湖のようです。武田さんが「ここまでなにもかもなくなってしまったら、笑うしかない」とぽつりと言った言葉に、被害の深刻さがあらわれています。
その後、大曲浜に行きましたが、コンクリートの堤防が100メートルも移動。車やトラクターが水面にポツリと残され、あまりの惨状に一同あ然として声も出ません。武田さんは「自分のところは笑うしかなかったが、ここへ来ると憂うつになる」と語っていました。
被災地に入ってみて、当座の支援を強めるとともに、中・長期的な支援が求められていることを実感しました。
大震災救援募金 受けつけています |
振込先口座 ゆうちょ銀行 総合口座 記号10030―番号61671711(他の金融機関から振り込む場合は、ゆうちょ銀行008支店 普通6167171) 口座名義 農民連災害対策本部 |
[2011年4月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2011, 農民運動全国連合会