「農民」記事データベース20110321-965-19

旬の味


 1000年に一度ともいわれるすさまじい大地震が東日本を襲った。そして想像を絶する大津波は、まるで映画の世界のようだ。時間がたつにつれて新たな映像や証言が伝えられている▼大津波は漁船や家々を巻き込みながら、まるで不気味なエイリアン(異星人)のように、すべてを飲み込みながら押し寄せてくる。広大な平野ではジワジワと。急峻(しゅん)な入り江では激流となって。「早く逃げて!」という悲鳴が聞こえる。「娘と手をつないでいたのに巻き込まれて」と無念の涙を流すお母さん。巻き込まれながら必死に木につかまり、助けてもらったという青年の顔は傷だらけだ▼津波が去ったあと、ぼう然と立ちつくす住民たち。そして再会を喜び抱き合う光景。どれもこれも涙なくして見られない。原発から放射能を含む白い煙が噴き出し、住民はいつ帰るとも知れず不安のなか避難している▼「こうしてはいられない」―余震におびえる被災地に、農民連の旗を掲げたトラックが米や野菜を満載にして走り出した。

(あ)

(新聞「農民」2011.3.21付)
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2011年3月

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