「農民」記事データベース20110321-965-18

命を支えたい たたかい支えたい

ほくほくネット
JAL原告団に支援米

 北海道と東北6県の農民連産直ネットワーク「ほくほくネット」と、JAL(日本航空)不当解雇撤回裁判原告団との連帯の輪が広がっています。「TPP(環太平洋連携協定)もJALの不当解雇も根っこは同じ」と立ちあがる農民と労働者。両者は「支援米」を通じて、激励のエールを交換しています。


7道県から米740キロ余

米を通じて連帯のエール

 米に加えリンゴ、トマトジュース

 「支援米」のきっかけは、1月19日の農民連定期大会レセプションでした。JALは昨年の大みそかにパイロット81人と客室乗務員84人の合計165人の大量解雇を強行。「整理解雇は違法・不当」と、146人が東京地裁に提訴に踏み切り、約20人の原告団がその日の夜、レセプションにかけつけました。

 ステージに登壇し、原告団が「農民連のみなさんは食の安全を守ります。私たちは空の安全を守ります」と力強い決意表明。農民連の根本敬副会長が「命を支えたい。たたかいを支えたい」と述べ、ほくほくネットとして、北海道と東北6県から1俵ずつ米を送ることが表明されました。

 また、米に加えて、リンゴ(青森)、甘酒・トマトジュース(福島)など、独自に送った県連・産直組織もありました。山形県農民連では、幹事会で「地方組織ごとに送ろう」ということになり、庄内農民連は独自に米30キロを送りました。

 置賜から原告団1人あたり2キロ

 さらに、置賜(おきたま)農民連と山形おきたま産直センターからは「原告団146人全員に2キロずつ送りたい」との申し出があり、山形県の奨励品種「つや姫」292キロを送ることに。他の組織はカンパを集めて協力しました。

 「JALの不当解雇もTPPも根っこは同じ。安全運航を無視した不当解雇も日本の国土と生産をめちゃめちゃにするTPPも絶対に許せません。『つや姫』のように粘り強い闘いで是非勝利を勝ち取って下さい」とのシールが米袋一つひとつに張られました。

 全員に送ろうと提案した渡沢賢一さん(58)=南陽市、おきたま産直センター組合長=は「国とJALを追い詰めるには立場を超えた連携こそ必要。そのかけ橋として、顔の見える産直で一人ひとりに米を届け、たたかっている労働者を激励したい」と力を込めます。

原告団から心のこもった感謝状

農民連の温かさが心にしみました
口頭弁論にお米食べ力をつけて…

 お礼の手紙やはがき続々届く

 おきたま産直センターからの熱いエールに原告団は大きく励まされました。近藤克彦さん(パイロット)は「とてもおいしくいただきました。日本の米はまさに芸術品ですね」と喜びます。客室乗務員組合の小森啓子さん、藤田由美子さんらは「農民連のみなさんの温かさが心にしみました。お米にもちもち感、ふわふわ感があり、家族でおいしく食べました」と口をそろえます。

 各道県の農民連に、原告団からお礼の電話や手紙が寄せられたほか、2月28日には農民連にあてて心のこもった感謝状が贈られました。(別掲)

 同時に、ほくほくネットとおきたま産直センターには、原告団一人ひとりから手紙やはがきが続々と届いています。一部を紹介すると――。

 「ご飯の良い香りに、解雇されているにも関(かか)わらず、何とも幸せな気分に浸っております。皆様が米作りにかける情熱は日本全体を幸せにしてくれるに違いありません」

 「袋の表にはシールまで貼(は)ってあって感激です! 第1回口頭弁論の日の朝は『つや姫』を食べて力をつけて行きたいと思います」

 TPP阻止へ一段と固い決意

 山形県農民連の洞口昇一事務局長は「感激のあまり、涙が出そうになりました。役員・会員一同たたかう決意を固め直しています」と話します。

 農家はこれから田植えシーズン。TPP阻止のたたかいもヤマ場を迎えます。パイロットは3月3日、客室乗務員は11日に第1回口頭弁論が開かれ、解雇撤回の闘争も本格化します。たたかいの春は本番です。


農民連のみなさま

 寒さも緩み、暖かくすごせる日がだんだんと多くなってきた今日この頃です。その後、いかがお過ごしでしょうか。

 先日は、皆様が丹精込めて作られたいろいろな芸術作品を送っていただき心より感謝いたします。

 不当解雇撤回原告団の、近況をお知らせ致します。

昨日、東京地裁において裁判の進行協議が行われました。運航乗務員および客室乗務員の口頭弁論は、3月以降、月に1回入るというかなりのハイペースで進む予定です。

 労働裁判としては、超短期決戦となりそうです。

 これも、みなさま方に外堀を埋めていただいた成果と確信しております。

 私たち原告団は、短期決戦でこの裁判に勝訴し皆様のところへ『完全勝訴』のニュースをお届けすることが最大の恩返しと考え日々活動しております。どうか、これからもご支援、お願いいたします。

 また、TPPに関しても、根っこは整理解雇と一緒、『やりたいからやる』。

 当事者不在は、許しません。お互いがんばりましょう。

 外の寒さも緩みますが、まだまだ本格的な春には程遠い時もございます。屋外での作業が多くなることとお察しいたします。どうか、ご自愛ください。

 『米は、日本人の原点です。』

日本航空の不当解雇撤回をめざす
国民支援共闘会議
JAL不当解雇撤回裁判原告団

(新聞「農民」2011.3.21付)
ライン

2011年3月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2011, 農民運動全国連合会