「農民」記事データベース20110314-964-13

旬の味


 春一番が吹き、少しずつ暖かくなってきた。草木が芽吹き始めると、子牛がたくさん生まれる時期でもある。品種改良が進んでいる乳牛も、季節の移り変わりに左右されているようだ。ともあれ、うれしくなる季節の始まりだ▼世界に目を向ければ、中東では独裁政権が次々に倒れている。その背景の一つに、気候変動や投機資金による穀物価格の高騰、食料品の値上げがあるといわれている。今年はエサ代の値上がりが心配だが、ホルスタインと和牛をかけあわせたF1の生後2週間の子牛が、市場では17万円という高値だ▼酪農家にとっては喜ばしいことだが、はたして肥育農家は大丈夫なのだろうか。エサ代の値上がりは人ごとではないのだが、買ってくれる相手の経営がよくわからなければ、子牛の高値相場は続かないだろう▼春はすぐそこまで来ているが、懐の中はますます寒くなりそうだ。この時期に農水省は畜産部会を開き、来年度の畜産政策を決める。温かい政治が畜産農家に届くのはいつのことか。

(種)

(新聞「農民」2011.3.14付)
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2011年3月

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