旬の味
春一番が吹き、少しずつ暖かくなってきた。草木が芽吹き始めると、子牛がたくさん生まれる時期でもある。品種改良が進んでいる乳牛も、季節の移り変わりに左右されているようだ。ともあれ、うれしくなる季節の始まりだ▼世界に目を向ければ、中東では独裁政権が次々に倒れている。その背景の一つに、気候変動や投機資金による穀物価格の高騰、食料品の値上げがあるといわれている。今年はエサ代の値上がりが心配だが、ホルスタインと和牛をかけあわせたF1の生後2週間の子牛が、市場では17万円という高値だ▼酪農家にとっては喜ばしいことだが、はたして肥育農家は大丈夫なのだろうか。エサ代の値上がりは人ごとではないのだが、買ってくれる相手の経営がよくわからなければ、子牛の高値相場は続かないだろう▼春はすぐそこまで来ているが、懐の中はますます寒くなりそうだ。この時期に農水省は畜産部会を開き、来年度の畜産政策を決める。温かい政治が畜産農家に届くのはいつのことか。 (種)
(新聞「農民」2011.3.14付)
|
[2011年3月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2011, 農民運動全国連合会