新燃岳噴火
農業被害も甚大 全額補償早く
全国災対連現地調査
共同組織立ち上げへ
災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は2月19、20の両日、新燃岳(しんもえだけ)噴火被害と土石流の不安が強まっている宮崎県都城市、高原町で住民の声を聞くとともに、現地で奮闘している労働組合や市民団体と懇談し、今後の救援対策について意見交換しました。
行動には全労連・中山益則さん(全国災対連事務局長)、自治労連・森永伊紀さん、農民連・笹渡義夫事務局長が参加しました。
現地では、関係者の努力で道路の降灰除去は進んでいますが、歩道や小中学校の校庭、公園、田畑などは依然として多いところで20センチほどの灰が積もっています。都城市の山田、御池の各小学校では、地元の建設業者が18日から除去作業に着手。作業員は「校庭が砂場のようになり、1月26日から使えなかったが、明日から校庭で遊べる」と語っていました。
御池地区で原木シイタケを栽培している農家は「原木1000本が降灰で全滅した。菌を打ち直してビニールをかぶせているが、良いものはとれない」と落胆。「昨年7月の大雨で原木が流されたばかり。全額補償してほしい」と訴えていました。
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火山灰の重みでつぶれた畜舎(都城市) |
降灰で牛舎の屋根が破損し、牛を移動させた畜産農家は「牛舎を自分で直せといわれても無理。せめて修理代の半分でも補助してもらえれば」と語り、豚舎の屋根が大きく破損して使用できないという養豚農家は「農家が悪いわけではない。こういう時のために税金を払っているのだから」と、国や県の対策に期待していました。
翌20日は、口蹄疫(こうていえき)対策で奮闘した主要団体が集まり懇談。「農業被害がほとんど報道されていない」「国の補助事業で太陽発電を導入したが、噴石で壊れて発電できず、毎月3〜4万円のローンだけが残った」「県はなぜ災害救助法を発動しないのか」(その後発動)などの意見が相次ぎ、対県交渉の計画や、全国への義援金の呼びかけ、新燃岳噴火対策のために共同組織を立ち上げることなどを決めました。
全国災対連は3月12〜13日にも現地調査を実施します。義援金をはじめ全国からの支援の強化が求められています。
(新聞「農民」2011.3.14付)
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