「農民」記事データベース20110307-963-04

生物多様性から
農・食・人間の多様性へ

農の会が定例研究会・総会開く


画像 「農の会には、消費者がいて、研究者、生産者がいる。消費者がこういうものがほしいと言えば、研究者が技術開発して生産者が作る。こういうコラボができる『農の会』ってとても良いと思う」(鈴木義啓さん)―“農を愛し、農を科学し、農を創る”をスローガンに活動する「農の会」(農民連に団体加盟)は2月12、13の両日、東京都内で「生物多様性から農、食、そして人間の多様性へ」をテーマに、定例研究会・総会を開催し、約60人が参加しました。

 研究発表したのは次の8人です。(1)東京都小平市の柳下登さん「生き物の多様性と農業技術」(2)富山県立山町の寺西雅弘さん「モリアオガエルの住む田んぼの話」(3)長野県佐久市の鈴木義啓さん「生き物のバランスで成り立つ無農薬花卉栽培」(4)和歌山県紀の川市の高橋範行さん(農民連青年部)「ボカシを使った稲作と地域に根ざした食育活動」(5)東京都世田谷区の栗原澄子さん「料理教室への思い―食生活の立て直しは社会の立て直し」(6)静岡県富士宮市の内田達也さん「自然の多様性に学ぶ暮らし方〜エコビレッジという提案」(7)長野県伊那市の石綿薫さん「農業技術の多様性を捉(とら)える視点」(8)埼玉県春日部市の佐藤陞さん「丹波黒大豆の多収穫栽培について」

 このうち石綿さんは、有機栽培に転換したほ場における土作りは、「たい肥やミネラルなどを入れることではなく、それらの条件が作物の生産に役立つように働く流れを高めること」であり、「これを『育土』と呼びたい」と報告。そして、「地域固有の環境と育土の積み上げによって、田畑の数ほど農法がある。自分の田畑の個性を知り、品種選びや管理技術を高めていくためには、農家同士の勉強会が非常に有効だ。『農の会』はその場を提供する会であり、お互いに技術をみがきあう仲間作りをしている会だ」と述べました。

(新聞「農民」2011.3.7付)
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2011年3月

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