全商連が国税通則法改悪反対シンポ
税務行政の権限強化がねらい
政府は、消費税増税の前に「税金を取りやすい環境」をつくるため、税務行政の権限を強化する国税通則法「改悪」案を今国会に提出しています。そして、この「改悪」案にもとづいて、国税庁長官が納税者への義務規定を盛り込んだ「納税者権利憲章」を策定できることになります。
2月16日、全国商工団体連合会(全商連・民商)が呼びかけて「国税通則法改悪反対―納税主人公の権利憲章の制定を求める」シンポジウムが国会内で開かれ、農民連も含め53団体から300人以上が参加しました。
シンポジウムでは、税理士の湖東(ことう)京至(きょうじ)さんが「改悪」案の重大な問題点について報告。関本秀治さんは「税務行政の便宜のための『納税者権利憲章』であってはならない」と、政府・民主党を批判し、弁護士の鶴見祐策さんは租税法律主義など憲法の原理と相いれない「改悪」案のねらいを解明しました。
その後、福岡、滋賀、東京・北区の民商業者が、突然調査に来て無断で自宅にあがり込むなど、税務署による不当な徴収や調査の実態を告発し、9つの団体代表が、納税者権利憲章や確定申告に向けた取り組みなどを報告しました。
農民連の斉藤敏之常任委員は「農家は米価低落で、今年は厳しい確定申告になる。さらに追い打ちをかけるように、菅首相は農業と国のあり方に重大な影響を及ぼすTPP参加を進めている。国税通則法を改悪して、さらに徴税を強めることは許されない。TPP反対のたたかいとともに、広範な自主申告の運動のなかで必ず阻止したい」と決意を述べました。
最後に、全商連常任理事の米田務さんが「政府・民主党は、『改悪』案を予算案とともに3月末までに成立させようとしている。なんとしても阻止するため、署名をおおいに広げ、国会議員への要請行動を強めよう」と呼びかけました。
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農民連全国連と税金対策部は、「全商連とも協力して、国税通則法改悪に反対する請願署名に取り組もう。税金相談会・記帳会などで署名を集めるなど、急速に運動を広げよう」と呼びかけています。
(新聞「農民」2011.3.7付)
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