旬の味
昔ばなし「三年寝太郎」をご存じだろうか。“食っちゃあ寝、食っちゃあ寝”の寝太郎が、あるとき突然起き上がり、知恵をこらして長者になったり、化け物を退治したり、山を開いて田んぼを作ったりと大活躍するおはなしで、さまざまな形で各地に伝わっている▼昔ばなし研究者の小澤俊夫先生によると、子どもの成長を願う昔の人たちの思いがこめられているそうだ。昔の人々の知恵や願いが込められた昔ばなしは、これからも大切に伝えていきたい農村の文化だと思う▼農民組合の仲間を見ていると、昔ばなしの登場人物のようだ。米価が暴落し、天候にも苦労して収入が減っているのに、底抜けに明るい。雑草のように、踏まれても蹴(け)られても、何度でも立ち上がる底力を持っている▼「農業はGDP比で1・5%」などと言われても、国民の食糧を支えているのは農民ではないか。「みんなで力を合わせればなんでもできる」という昔ばなしの精神で、TPPをはねかえそう。もうすぐ田おこしが始まる季節だ。 (澄)
(新聞「農民」2011.2.28付)
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[2011年2月]
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