「農民」記事データベース20110228-962-04

農のこころ

丸山美沙夫


 種物はや婆の持ち出す縁陽射し

              美沙夫

 穀物・野菜・草花などの種子を、「種物」「物種」といい、籾種とは別にして春の季語としている。とくに農家の主婦や婆ちゃんたちは、春に蒔く種物を大切に保管しているようだ。それだけ農仕事の役割分担を心得ているからである。待ちどおしい春、早々と縁側に持ち出してくる婆の気がまえに、敬服する主である。

(新聞「農民」2011.2.28付)
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2011年2月

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