6人の農家で水田60ヘクタール
安定した米づくり TPP阻止
二本足で踏ん張るぞ!!
やわら生産組合 農事組合法人
茨城・つくばみらい市
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「今年は、うまい米づくりとTPP断固阻止と、二本足で踏ん張るぞ!」―菅首相は、TPPに参加しても、農地集積で大規模化して「強い農業」にすれば食料自給率向上と両立できるかのように言っています。とんでもありません。6人の農家が請け負いも含めて60ヘクタールの水田で米づくりをしている「農事組合法人やわら生産組合」(茨城県つくばみらい市)を訪ねました。
年々ふえる請け負い水田
大型機械でこなすが…
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発足は今から40年前、目的は農業機械の共同利用でした。茨城県南農民組合の市川忠夫さん(75)は、「あのころは若かったなあ。周りからは『すぐにも解散するぞ』なんて言われました。でも、全国から視察に来たよ。韓国の農家も来たな」と、当時を振り返って笑います。
事務所を兼ねる倉庫には、大型のトラクターやコンバイン、乾燥機などがズラリと並びます。その中でも自慢なのが、今年導入したレーザー光線付きの整地機。レーザーを使って、田んぼのでこぼこを平らにしてしまう農機具です。1枚の田んぼが1ヘクタールを超える規模になってくると均一な整地がかかせません。でこぼこがあると、水に沈んでしまう苗や逆に水が届かないところもでてしまうからです。
「こいつはすごいよ。かなり高価な買い物だったけど、年々増える請け負いの水田をこなしていくには機械化は避けられない」と話すのは、組合長の飯塚清さん(62)。
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自慢のトラクターを前に、飯塚組合長(左)と市川さん |
この春には、農薬散布用にラジコン・ヘリコプターも導入します。ヘリコプターでの農薬散布というと、環境への影響を心配する人もいますが、ラジコンの無人ヘリは小回りがきくので、農薬を散布する農民にも付近の住宅地にもまったく被害を及ぼすことはありません。「これも結構高かったけど、行政や共済組合からも助成してもらってなんとかやっていける」そうです。
心配するのは気候変動と米価
しかし、心配は気候変動と米価。今年は高温障害で一部の米の等級が下がりました。また米価の低迷は、大型機械の返済計画にも大きく影響します。さらにTPPに参加すれば、日本から米が90%消えてしまいます。市川さんは「地域の農家のみなさんと力を合わせれば、100ヘクタールまでやっていける自信はありますが、安定した米価があってこそです。関税撤廃のTPP参加はとんでもない」と声を荒らげます。
春の田起こし、そして苗づくりの準備と、田んぼの仕事も暖かくなるにつれて忙しくなってきます。米づくりとTPP反対、どっちも手を抜けません。
埼玉県深谷市
小学4年生の元輝と2歳の柚の孫2人が、「イチゴ狩りをしたい」というので、1月31日、埼玉県深谷市の安藤農園を訪ねました。4年前に埼玉農民連から紹介されて訪ねたのが縁で、今回も行きました。
初めての柚ちゃんは、甘い香りがただよう園内に入ると、母親や兄の後をよちよち追いながら、イチゴをもいで口いっぱいにほおばっていました。また、イチゴ大好きな元輝は、2度目とあって「100個食べるぞ」と大ハッスル。東京・目黒区に住む2人は、自然の中でのイチゴ狩りを十分に楽しんだようです。
(埼玉農民連 西村正昭)
(新聞「農民」2011.2.21付)
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