TPP参加これまでに6カ国と協議日本政府 米国の要求すべて受け入れ
外務省・財務省・農水省・経済産業省がまとめた「TPPに関する各国との協議」(1月20日)によると、政府は「情報収集のため」という理由で、これまでに6カ国と協議を進めています。(▽昨年12月13〜15日、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール ▽1月13〜14日、アメリカ ▽1月14〜17日、チリ、ペルー) この文書には、「新規参加するには、すべての交渉国の同意が必要」で、「アメリカは、議会の同意を取り付けることが必要」「関税撤廃のみならず非関税措置の改革にも取り組むことを期待」と書かれており、TPPに参加すれば、アメリカの要求をすべて受け入れなければなりません。 9カ国で行われているTPP交渉の第4回会合は昨年12月、ニュージーランドで行われ、関係国から約400人が参加。農業だけでなく、繊維・衣料品、衛生植物検疫措置(SPS)、金融、投資、労働など24の作業部会で交渉が行われています。 この中で、関税をどこまで撤廃するかを話し合う「市場アクセス」の作業部会では、「2国間のFTA(自由貿易協定)より高い水準の自由化をめざす」「原則、除外や再協議は認めない」こととしています。 日本がこれまでFTAを締結した11カ国との自由化度(関税を撤廃した割合)は、コメや砂糖などを除外していることから84%〜88%ですが、TPPの自由化度は「96%〜99%を目標」と報道されています。 第5回の交渉は2月にチリで行われ、以後第9回(10月、ペルー)まで予定され、11月のAPEC首脳会議(アメリカ・ハワイ)で最終合意をめざしています。
TPPと各党の動き地方選に不利と参加方針先送り自民党1月26日、「TPP対応検討会」を開き、「3月までにTPP参加問題への意見集約を行う」との方針を先送りすることを決めました。これは、4月のいっせい地方選挙の前に結論を出すことは、「得策ではない」との判断からではないかと、報道されています。自民党はもともと、WTO・FTAなど市場開放を推進してきた政党です。いまさら、選挙への悪影響を心配して先送りしても、その大本をごまかすことはできません。
「尊農開国」と参加政策に明記みんなの党1月29日、党大会を開き、いっせい地方選挙に向けた「農業アジェンダ(政策)」を発表しました。そのなかでは「尊農開国」をキャッチフレーズに、TPP参加を明記。絶好の機会ととらえ、株式会社の参入規制を撤廃し、農地集積による大規模化と輸出産業として育成などを打ち出しています。渡辺代表は、各地でTPP参加反対の議会決議があがっていることに対して、「要は覚悟の問題」などと開き直っていますが、自民党農政の焼き直しでしかありません。
(新聞「農民」2011.2.21付)
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[2011年2月]
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