「農民」記事データベース20110214-960-09

税金申告のポイント


米モデル事業の交付金は…

 今年度からスタートした米戸別所得補償モデル事業の交付金について、税金申告上どう扱えばいいのか、質問が寄せられています。

 米モデル事業にかかわって支給される交付金(固定払いは10アールあたり1万5000円)の税金申告上の扱いは、従来の品目横断対策にかかわって支給された交付金の場合と同様です。

 これら交付金は、農業雑収入としてほかの農業収入と合算し、必要経費を控除した金額が課税対象になります。

 ただし、交付金を受けた担い手が、農業経営改善計画を定め規模拡大に取り組んだ場合には特例措置されます。これが「農業経営基盤強化準備金制度」です。

 しかし、この特例の対象者は認定農業者、特定農業法人で、青色申告者に限定されています。

 具体的には、交付金を規模拡大のために「準備金」として積み立てた場合、法人は「損金」に、個人は「必要経費」に算入することができ、実質的に非課税扱いになります。(積み立て後5年を経過したら、法人は「益金」に、個人は「総収入金額」に算入)

 また、準備金を取り崩し、または積み立てずに受け取った年に交付金を活用した場合には、圧縮記帳(注)することができます。


(注)準備金を取り崩した場合、その取り崩した額は、法人は「益金」に、個人は「収入」に算入します。圧縮記帳とは、取り崩した額で取得した農業用固定資産の帳簿価額を一定の額まで圧縮して記帳し、その圧縮相当額を法人は「損金」に、個人は「必要経費」に算入できるというものです。これにより、実質非課税扱いになります。なお、取得した農業用固定資産の帳簿価額は、圧縮した額になります。
(税対部)

(新聞「農民」2011.2.14付)
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2011年2月

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