「農民」記事データベース20110214-960-04

備蓄米

不足時以外は飼料米処理

食糧部会 100万トン規模の棚上げ方式を了承


 農水省の食料・農業・農村政策審議会食糧部会は2月2日、同省内で部会を開き、米の備蓄運営などについて議論しました。2011年度から、政府備蓄米をこれまでの回転方式から棚上げ方式に転換することとする「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」を了承しました。


“放出時のルールを”
“米価の安定を”の意見も

 「基本指針」によれば、備蓄米の量は100万トン程度とし、国内産米を毎年20万トンを買い入れ、5年間備蓄します。買い入れは、作付け前の契約を基本に、一般競争入札を実施。放出を要する不足時以外は、備蓄後に、飼料用等の非主食用として販売(毎年20万トン)します。

 討論では、備蓄運営についての質問や、米価に対する意見が各委員から出されました。全国農業協同組合中央会(JA全中)専務理事の冨士重夫委員は「生産者は『下がった米価はもう上がらない。下がるにまかせるだけ』という不安感にかられている」と述べ、入札方式による買い入れで、市場価格が下落し、さらに放出時にも価格を下げるしくみになっている点を指摘。「どういうときに、どのくらい放出するのか、備蓄運営についての考え方をきちんと示すべきだ」と求めました。

 全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)理事長の木村良委員は「備蓄米の放出は、市場への影響が大きい。十分議論して、しっかりした基準を示してほしい」と注文をつけました。

 日本経団連の廣瀬博委員は「2010年産の買い入れ発表で米価は反転したが、全体的には前年より大きく落ち込んでいる。世界的には異常気象で価格はどうなっていくのか。価格動向の分析を注意深く続けてほしい」と発言。食生活ジャーナリストの村松真貴子委員は「生産者のやる気を失わせないためにも米価の安定が必要。入札方式だと、安い方になるのではないか」と問題点を指摘しました。

(新聞「農民」2011.2.14付)
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2011年2月

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