「農民」記事データベース20110207-959-13

旬の味


 菅首相は、消費税増税とTPP交渉参加に向けて内閣改造を行った。われわれは、全国大会、県連総会で並々ならぬ決意で反撃のたたかいを誓い合った▼県連総会での86歳の農民の発言は、参加者の心に沁(し)みた。公務員を定年退職して農地を増やし、いまでは自作地5ヘクタールに借地3ヘクタールだ。中山間地なのでたいへんな努力である。息子さんは今年3月、定年退職を迎え、晴れて専業農家になると決意を固めた。これまでも農繁期は家族全員出動だったが、「勤めには定年はあるが農業には定年がない。死ぬまで稲刈りをしていく」と、淡々と語っていた▼「農業の担い手は、平均で65歳を超え日本農業に将来はない。足元の明るいうちにTPPで『開国』だ。農産物の輸出を柱に『構造改革』だ」との大合唱が聞こえてくる。バカ言ってんじゃないよ。オッとどっこい、日本の農民は家族でしっかり農業を支えているよ▼ものを作ることがたたかいなのだ。不幸な日本の政治の中で、農民の命をかけたたたかいが始まっている。

(弥)

(新聞「農民」2011.2.7付)
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2011年2月

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