劣等感と優越感

静岡・菊川市農民組合　村田　耕一

（一）俺は老妻と二人で 新幹線牧之原トンネルを西へ出た所の 沿線で小さな汁田（水田）で 腰をかがめて手鎌で稲を刈る のぞみ号がうなりを上げて走って行く 俺と家内で一俵分も刈り取った頃には もう大阪か神戸に着いたか　ナアー なあ、婆さん　俺等にゃあ御蔭で この旨い空気と棚田があるで　ナアー 腰を曲げても　我百姓の八十路を往かん （二）俺は老妻と二人で 茶草（茶畑へ敷きつめる山草）と 山あいの悪道を天秤棒と背負いこで 二把づつ休み、休み担ぎ出す ジェット機が空高く 飛行機雲を引いて西へ東へ行く リヤカーへ積み上げる頃は 成田か羽田へ着いたか　ナアー なあ、婆さん　俺等にゃあ御蔭で 広い草刈場と山林（ヤマ）があるで　ナアー 腰が痛くても　我百姓の八十路を往かん （三）俺は老妻と二人で 東名高速道路のすぐそばの茶畑で 倅等の刈り取った茶袋を 大黒様のように運び出す ピカピカの観光バスが 西へ東へ走って行く 東京へ行くのか、京都へ行くのか　ナアー 夕方まで汗出して運びゃあー ○円位に売れるか　ナアー なあ、婆さん　俺等にゃ御蔭で 農業後継者がいるで　ナアー 腰をかがめても　我百姓の八十路を往かん

旬の野菜がエサです

埼玉・寄居　農家の庭のカメさん

“メシ”の声に小屋からヨイショ

　15年ほど前にペットショップで買ったカメの体重は、約20キロにもなります。小さい時から村田さんの家で採れる旬の野菜がエサです。

　「カメちゃん、エサくれるよ」と声をかけると、小屋から出てくるそうです。冬の時期は暖かい日でないと小屋から出てこないのですが、この日はたまたまダイコンを食べる姿をカメラに収めることができました。近所の子どもたちも見に来ることがあるそうです。