「農民」記事データベース20110131-958-10

旬の味


 TPPやFTA、GDPといった横文字を耳にする機会が増えた。JAでもTPP参加に反対する1千万人署名を進めているので、役職員から声をかけられる▼直売所でお客さんの会話を耳にした。「TPPに反対しているのは、農家やJAといった一次産業に関係する人たちだけ」「工業製品などの輸出が増えなければ、景気は上向いていかない」と。確かに新聞やテレビでは、JAや農家だけが反対しているような報道ばかりだ▼TPPで真っ先に影響を受けるのは農林水産業だが、肥料、種苗、農機を扱う会社もつぶれる。青果物市場もなくなる。地元の食材を加工する産業もつぶれる。失業者が増えれば、商店や飲食店も経営が成り立たなくなる。そればかりではない。働く場所も、安い賃金で働いてくれる海外の労働者に取って代わられる▼前原外相の「1・5%」発言。GDPの98・5%を稼いでくれている人たちは、おれたちの作った農産物で腹を満たし、豊かな自然に触れて心をいやしているのではないか。

(竹)

(新聞「農民」2011.1.31付)
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2011年1月

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