東京・築地市場移転問題
東京・築地市場(中央区)の江東区・豊洲への移転問題が4月の都知事選を控え、大きな争点になっています。農民連は、全労連・全国一般東京地本・東京中央市場労組(東中労)をはじめ、各団体と懇談や学習を積み重ねながら、移転反対の世論を喚起しています。
規制緩和で大規模小売・外食の業者優遇農民には身近な出荷市場なくなる拠点市場の形成豊洲への移転は何が問題なのか――。「移転の背景にあるのは、昨年10月に政府が示した第9次卸売市場整備基本方針だ」。農業・農協問題研究所の三国英実理事長はこう指摘します。今回は、「中央拠点市場の形成」という方針が提起され、その内容は「大型産地からの荷を大量に受け、周辺の中小規模の中央卸売市場と連携した流通を行う役割を担う」と書かれています。これは「大規模小売業者・外食事業者の取引に対応するためのものであり、逆に卸売業者や仲卸業者の統廃合が進められる」ことを意味します。 そのねらいについて、三国氏は「食料品の広域的大規模集配センター化にあり、財界が要求する道州制に対応し、大規模小売業者・外食産業のための一大集荷基地の役割を担うものだ」と述べています。 その結果として、中小規模の産地が排除され、仲卸制度の否定、商店街の衰退などがもたらされることになります。
生産ストップも農民にとって、移転は何が問題なのか。農民連の齋藤敏之常任委員は、盛岡市中央卸売市場が2001年に、「東北6県の拠点市場」をうたい、売却益を元手に移転したが、バブル崩壊で、赤字化している例をあげ、市場流通という観点から問題を告発しています。「築地市場移転と状況は同じであり、大手量販店が都民のばく大な税金を使って、首都圏の配送センターをつくろうとするねらいをもっと明らかにする必要がある。農民にとって、身近な出荷市場がなくなることは、生産がストップし、出荷できずにやめていくことを意味する」
汚染問題も深刻移転先である豊洲・ガス工場跡地の汚染問題も深刻です。日本環境学会土壌汚染問題ワーキンググループ長の坂巻幸雄さんは「発がん性物質(ベンゼン)や猛毒化合物(シアン)などが高濃度で検出されている。東京都は汚染を隠し、その対策もずさんなものだ」と述べています。
移転への強引さが目立つ都の進め方。フェリス女学院大学非常勤講師の佐藤克春さんは、「リスク(危険性)をゼロにするには膨大な費用がかかる。ゼロリスクは非現実的」とする都の見解に対し、(1)都主催の意見交換会は移転への説得に終始(2)利害関係者の関与がない(3)代替案の提示がない―などを批判します。 日本共産党の清水ひで子都議は、都議会の状況を、「知事や自民、公明党は『現在地の再整備を進める時間がない』と言っているが、現在地の再整備で、営業の安全・安心を保障し、確保するのが都の責務だ」と指摘しています。
“TPP参加するな”と要請岡山県農民連が対県交渉多数のマスコミが注目![]() 交渉のなかで、県側は「TPP参加には国民合意が大事」と述べ、強硬な推進には反対と表明。また、県の主力品種である「ヒノヒカリ」の1等米がわずか3・5%しかなかったことなどから、米の品質低下対策や温暖化に対する技術指導・品種改良について、県議会に10億円の予算を計上し、積極的に支援していくことを確認しました。 交渉のあと、坪井貞夫会長がテレビ局のインタビューに答え、夜のローカルニュースで大きく報道されました。 (岡山県農民連 秦明美)
(新聞「農民」2011.1.31付)
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[2011年1月]
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