「農民」記事データベース20110117-956-09

旬の味


 めったにない大寒波で、鹿児島では大みそかから元日にかけて大雪が降り30センチくらい積もった。一週間たっても軒下に雪が残っている▼この大雪で農作物やハウスなどに大きな被害が出た。甘しょ床用のハウスなどビニールをかぶせていたところでは、パイプが折れて使いものにならない。いま復旧のために農協や業者が走り回っている。被害の補償はどうなっているのか。豆類も白い点々が入り、葉も日が経つにつれて色が変わり、枝は雪の重みと風で折れ、収穫は望めそうもない▼農家は災害ともたたかいながらの農作業なのに、農産物の価格は思うようにあがらない。さらに輪をかけて、TPPというわけのわからない横文字まで出てきた。一部の輸出大企業のために、日本の農業を破壊し、国民の生活に多大な犠牲を負わせるとはひどい話だ▼地域特産のでん粉用甘しょやカツオ節は外国産に置き換わり、地域経済も崩壊する。菅首相は「開国元年」と言うが、食糧主権こそ政府が取り組むべき道ではないか。

(文)

(新聞「農民」2011.1.17付)
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2011年1月

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