「農民」記事データベース20101220-954-05

米価回復へ 国の責任で対策を

農水省交渉で強く要求


グリーンウエーブ中央集結行動

画像 8日に行われたグリーンウエーブ集結行動で、食健連と農民連は、農水省と交渉し、米価暴落対策とTPPに参加しないことを強く求めました。

 昨年より2000円も暴落した米価について農水省は、原因は消費者の低価格志向と需給のギャップにあるとしながら、過剰米の処理については明確に“拒否”の回答。その理由として(1)食糧法は価格安定のための過剰米処理は想定していない(2)備蓄水準は100万トンであり、それを超える買い入れは困難(3)買い入れで価格の下支えを行うと生産調整に参加していない農家が恩恵を受ける―などと説明しました。

 これに対し、参加者は「米価暴落の責任を消費者に押しつけるのか。食糧法は、食糧の需給と価格の安定のための法律ではないか。『法律上できない』というのはおかしい」「2010年産に限れば過剰は13万トン程度。精米歩留まりの低下などを考えれば過剰どころか需給はむしろマイナスだ。それなのに米価を暴落させた政府の責任は重大だ」と追及しました。

 また、「不作と民間レベルの対策でようやく米価は下げ止まったが、政府は何も対策をとっていない」と批判。「米価の回復には前年度から繰り越してきた40万トン規模の過剰米の処理が必要だ」として、棚上げ備蓄の前倒し・早期実施などの対策を強く主張しました。現場の農家の「生産調整に参加するかしないかではなく、今は稲作をやっていけるかどうかが問題だ。価格を元に戻せ」との訴えにも、農水省は「価格は市場が判断する」と他人事のような答弁に終始しました。

 農民連の笹渡義夫事務局長は「新政権になってから下落が続いている。『下落しても戸別所得補償で補てんされる』と、下落を放置しているのが最大の問題だ。価格を元に戻すことなしに、稲作農民の再生はありえない。ただちに対策をとれ」と迫りました。

 また、参加者は「TPPと食料自給率向上とは相いれない。参加をやめ、『協議を開始する』とした政府方針を撤回せよ」と強く求めました。

 農水省は「両立は難しい」と認めながらも、「まだ決まっているわけではない」などと苦しい答弁に終始しました。

(新聞「農民」2010.12.20付)
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2010年12月

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