「農民」記事データベース20101206-952-07

本の紹介

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン編
「遺伝子組み換えナタネ汚染」


市民団体の調査を集大成
対策求める運動の助けに

画像 日本では、輸入された遺伝子組み換え(GM)ナタネが、こぼれ落ちて港周辺や道路脇などで発芽し、自生していることが大きな問題になっています。生協や市民団体などが6年前から本格的に調査を始め、GM汚染の実態や農作物への影響を調べてきました。農民連食品分析センターも毎年、全国各地を回り、自生の状況を調査しています。

 本書は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンのGMナタネ調査に参加する、すべての団体・グループによる6年間の調査記録をまとめ、その結果を収録した集大成です。分析センターの八田純人さんも「自生GMナタネを分析して分かったこと」を執筆しています。

 また元筑波大学教授の生井兵治さんによる「GMセイヨウナタネと各種アブラナ科植物の自然交雑問題」など、GM汚染の危険性を明らかにし、警鐘を鳴らすものになっています。

 10月に、カルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)が開かれ、遺伝子組み換え生物(GMO)による被害に対して、法的拘束力のある補償ルールを定めた「名古屋・クアラルンプール補足議定書」が採択されました。今後は、GM汚染の対象を野生生物に限っている「カルタヘナ国内法」を改正し、農産物や人の健康への影響も対象にするよう運動を続けていくことが求められています。

 本書は、カルタヘナ国内法の改正を求め、行政や企業にGM汚染の対策をとらせる活動にとって、大きな力になることはまちがいありません。

 定価=2000円+税
 注文・連絡先=緑風出版TEL 03(3812)9420、Fax 03(3812)7262

(新聞「農民」2010.12.6付)
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2010年12月

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