「農民」記事データベース20101206-952-03

地球温暖化対策基本法
一刻も早く成立を


市民・環境団体

与野党国会議員招きシンポ

 市民・環境団体のネットワーク「メイクザルール・キャンペーン」が11月24日、東京・千代田区の参議院議員会館で与野党の国会議員を招いて「地球温暖化対策基本法」の年内成立を求めるシンポジウムを開きました。

 地球温暖化対策基本法案は今年6月、前回の通常国会が参議院での審議途中に閉会となったため、いったんは廃案となりましたが、現在開かれている臨時国会にも同法案がそのまま再提出されています。しかし臨時国会でも衆議院での審議開始すら不透明なまま、12月3日の国会閉会が迫っており、11月29日からメキシコ・カンクンで始まる気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)を前に、「“基本法”成立を来年に先送りすることは許されない」という世論が高まっています。

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環境庁の樋高剛政務官があいさつし、同キャンペーン実行委員長のシロベエから要請書が手渡されました

 シンポジウムではその理由として、(1)世界全体での排出削減という国際的な合意をはかるためにも、日本は25%削減という目標を実現できる国内制度を成立させることが必要、(2)京都議定書の期限が切れる2013年以降も空白期間なく国内対策をつなげていくことが必要、(3)いち早く低炭素経済に舵(かじ)を切り、環境と両立する日本経済を確立するためにも、その方向づけとなる基本法の成立は急務、という3点が強調されました。

 産業界からの強い巻き返し

 同法案に対しては、日本の総排出量の大部分を占める電気事業連合会や鉄鋼連盟などが、連名で「温暖化対策を強化するな」という共同提言を発表しているほか、日本経団連も声明を発表し、産業界からの巻き返しが続いています。シンポに出席した民主党議員も、「いま、民主党はこうした産業界からのヒヤリングばかり行っているのが実情」、「皆さんのような実効性ある対策を求める声よりも、反対する産業界からの声の方がずっと大きい気がする」と述べるなど、その巻き返しの猛烈さが際立ちました。

 市民団体の代表からは、「基本法が成立せず、国全体の目標・政策が定まらないので、自治体だけが積極的な防止策をとることができない」など、現在、全国で進められている地方自治体の温暖化防止対策の計画づくりについて切実な声が多数上がりました。

 法制定を求める署名37万筆以上

 同キャンペーンには公害・地球環境問題懇談会(公害地球懇)のほか、全国・地域あわせて200団体が参加しており、地球温暖化を止めるためのルール(法律)の制定を求める署名が、これまでに37万筆以上集まっています。

(新聞「農民」2010.12.6付)
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2010年12月

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