米価下落・TPP参加に抗議
農民連が国会前座り込み
農民連は11月24日、国会前で、米価下落に抗議し、TPP(環太平洋経済連携協定)への不参加を求める座り込みを行いました。
午前中は参院議員会館前で独自に座り込み。全国から集まった農民連会員が交代でマイクを握り、TPPを推進しようとする政府・民主党への怒りを訴えました。
午後からは、国民大運動実行委員会などが主催する昼休み行動に合流。農民連を代表して、秋田県連の佐藤長右衛門委員長が「米を作って50年。これほどの屈辱は初めてだ。TPPは何としても阻止しなければならない」と批判しました。
佐藤さんは、JA全中(全国農業協同組合中央会)が都内で3000人規模の集会を成功させるなど、全国で農民がTPP反対に立ち上がっていることを紹介し、「農業だけの問題ではない。国民の命、食糧、農業を守るために最後までがんばる」と決意表明しました。
参加者は座り込みの後、衆参両院の農林水産委員を訪ね、要請行動を行いました。各議員や秘書から「農業は壊滅します。がんばって下さい」など共感の声も寄せられ、日本共産党の紙智子参院議員は「運動すればするほど世論は広がっていく」と激励しました。
食健連農民連
農水省に要請・交渉
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と農民連は11月18日、農水省に対し、米価の暴落対策とTPP(環太平洋経済連携協定)に参加しないことを求める要請を行いました。
米価の問題では、冒頭、農民連の白石淳一会長が「下落が止まらず、ゆゆしき事態だ。棚上げ備蓄の前倒しを含め、40万トン程度の買い入れなど、あらゆる手立てによる過剰米処理を早急に実施せよ」と求めました。
農水省が「新年度から棚上げ備蓄を実施する。買い入れは、国民の理解が得られない。戸別所得補償で対応する。買い入れは考えていない」と答えました。
参加者は「『何もしない』という姿勢が更なる下落を招いている」と批判。農家の「下落幅が大きすぎる。このままでは年を越せない」との訴えに、「下落は認識しているが、原因は、需給のギャップが大きいためだ」と他人事のような説明。
これに対し「農家は農水省の計画に基づいて作っている。需要見通しが狂ったのは農水省の責任だ」と指摘しました。
交渉はさらに、米穀安定供給確保支援機構が過剰米対策として、豊作過剰時のために農家が拠出した「集荷円滑化対策」基金321億円を活用して、一定量を買い入れようとしている問題に移りました。
参加者は「本来は政府が対策を取るべきだが、機構に対し、もっと協力すべきだ」と要請。農水省は「民間で行うことであり、関係者の合意と内容が合致していれば、とやかく言わない」と回答しました。
また米戸別所得補償モデル事業の固定払い(10アールあたり1万5000円)について、参加者は「できるだけ年内に行え」と訴えました。
TPPについて、「政府が掲げる『食料自給率50%』とは両立しない」と迫ると、農水省は「その通り」だと認めました。参加者は「そもそも戸別所得補償は、全面自由化を想定したものだ。『協議を開始する』という閣議決定は参加を前提にしている。すぐに撤回せよ」と要求しました。
(新聞「農民」2010.12.6付)
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