しめ縄づくり急ピッチ
愛知 豊橋農民組合植田しめ縄グループ
心待ちの人の笑顔が励みです
お正月を前に、しめ縄作りが急ピッチ―愛知県農民連・豊橋農民組合の植田しめ縄グループは、生協や直売所などに出荷するしめ縄づくりに追われています。
しめ縄は災いを払う力があると言い伝えられ、玄関先や神棚には欠かせません。しかし、大型スーパーなどでは、中国などからの輸入ものが売られ、よく見ると原材料に「稲わら」ではなく「水草」という表示も見受けられます。これでは厄(やく)除けも通じません。
植田しめ縄グループの会員10人は、「毎年楽しみにしています」という声を励みに、35アールの水田にもち米の苗を植え、6月下旬から一番つらい仕事、青刈りからしめ縄作りが始まります。もち米のわらが一番やわらかくて編みやすいそうです。刈ったらすぐに天日乾燥して、どんどんしめ縄を作っていきます。種類は大根〆や丸〆、棒〆、リースなど。1人で2000本以上にもなります。「1日がんばっても30本ね」という白井満里子さん。「カビが出たら商品にならないので、扇風機や除湿機、はてはエアコンまでかけっぱなしにして保管します」という佐原茂代さん。それでも、12月からしめ縄の販売が始まり、新しいしめ縄を心待ちにしている人たちの笑顔を見ると、1年の苦労も吹き飛びます。
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白井満里子さん(左)と佐原茂代さん |
東三河地方では、年末の12月30日に付け替え、1年中飾っておくそうです。手づくりのしめ縄には、「来年はよい年でありますように」との願いがこもっています。
(新聞「農民」2010.11.29付)
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