TPP参加に突き進む菅政権
腹の底から怒りの声を
新潟県十日町市農業委員会会長
阿部三代継(みよつぐ)さんが訴え
降ってわいたような政府のTPP(環太平洋連携協定)参加表明を受けて、農業関連団体からは絶対反対の叫びが沸騰している。一方では、財界・大企業の立場から参加促進のキャンペーンもものすごい。いわく、「バスに乗り遅れるな」。行く先も確かめないで、日本の農業や地域が滅亡するような終着地行きのバスに、急いで乗る必要がはたしてあるのか。
TPPの本質は、世界経済を牛耳(ぎゅうじ)ようとするアメリカと中国の覇権争いである。日本がこの争いに巻き込まれても百害あって一利もないことを肝に銘ずるべきだ。
先般、民主党は、選挙公約のひとつであった企業団体献金の禁止を取り消し、受け入れの方針を決めた。このことと突然のTPP参加が無縁でないと考えるのは、私だけではない。つまり、国内農業を犠牲にしても金もうけの場を作ってやるから、せっせと献金してほしいという図式が透けて見える。自民党以上に大企業寄りの政治姿勢に肌の粟(あわ)だちを覚える。
いま農業者は、腹の底から怒りの声をあげよう。行動を起こそう。
(新聞「農民」2010.11.29付)
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