「お米の話を聞く会」
お米屋さん講師に
大阪市地域女性団体協議会
おいしいお米の選び方は?
家庭の好みで米屋が手伝い
新米入荷を控え、「『おいしいお米って』という題目で話しをしてほしい」と、大阪市地域女性団体協議会から私(米安米穀店)に依頼がありました。9月18日、大阪市都島区で、「おいしいお米が食べたいと思ってもどれを選べば良いか迷ってしまう。どんなところに気をつけてお米を選べば良いか」と、大阪市在住の主婦のみなさんが20人ほど参加しました。
簡単そうなテーマですが、いざとなると難しい。8月より入荷した新米の多くは品質や味があまり良くないという実情もあり、しばらく悩みました。しかし、一つの答えが浮かびました。それは、人の好みが十人十色のように「各家庭には各家庭の好みがあるのでは」と。そこで、まず「みなさんの『家庭の味』を考えてみて下さい」「硬めのご飯が良いという家庭もあれば、軟らかいご飯という家庭もある」「お米にもネバリやコシ、甘みや食感など品種ごとにいろいろな特徴がある」、さらに「米屋はその年の作柄や玄米袋にだけ表示される等級なども選ぶ際の大事な要素にしている」ことを話しました。
新聞「農民」を資料にクズ米を混入して売られている「激安米のカラクリ」や、「米の『過剰』が言われながらミニマムアクセス米が大量に輸入され、流通されている」「作柄次第で国産米不足の不安もある」「1キロ500円のお米でもお茶碗一杯たったの35円」などの説明には、大変関心をもって聞いていました。
私たち米屋が消費者といっしょに農民連会員の産地に田植えや稲刈りで出かけ、交流している写真も示し、生産者とのつながりを大事にしていることも知ってもらいました。お米は価格や産地・ブランドだけでなく、ご家庭の好みで選ぶべきで、「各家庭に合ったお米をいかに賢く選ぶか、そのお手伝いをするお米屋さんがいる」ということも話しました。
参加者からは「今まで米の情報は価格しかなかった」「安い米がどうして流れているのかわかった」「価格やテレビCM、見てくれで買わず、自分の目で選ぶことが大事」「良い勉強ができた」などの声が寄せられました。
米価が下落し粗末にされているなか、地道な活動かも知れませんが、お米の大切さも伝えることができ、消費者のみなさんにお役に立てて良かったと思いました。
(あすなろの会代表・米安米穀店 蔵井謙一)
(新聞「農民」2010.10.25付)
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