「農民」記事データベース20101011-944-12

旬の味


 稲刈りが9月中旬から始まったが、秋雨前線が停滞して、なかなか終わりが見えてこない。戦後、中秋の名月の時に水害に襲われたと聞くと、夏の異常な高温多湿とあわせて、やはり異常気象なのだろう▼9月に入ると、お彼岸前の土曜日には、あちこちの神社で秋祭りが行われる。黄金色に頭をたれた稲穂を前に、実りへの感謝と収穫の喜びで、うきうきしてなんとも豊かな気分になるものだった▼このころ口ずさむのは、「米節」という新しい民謡だ。「米という字を分析すればヨ〜、八十八度の手がかかる〜。お米一粒粗末にならぬ、米はわれらの親じゃもの〜」▼日本人の主食、命の糧はお米だ。親と同じように大事なお米を、罰(ばち)当たりにも粗末に扱う政治がある。新自由主義・市場原理主義のもとで、生活も再生産もできない異常な低米価が押し付けられている。自然災害と政治災害のダブルパンチのなかで、農民はたたかっている。ものを作って豊かに生活できる社会の実現に向けて反撃を刻む秋になった。

(弥)

(新聞「農民」2010.10.11付)
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2010年10月

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