「農民」記事データベース20101011-944-10

この人

茶畑農コン(静岡・藤枝)の東京側主催者
居酒屋「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(東京・池袋)オーナー
高坂 勝(こうさか まさる)さん(40)


農的くらしで小さく生きる

画像 東京・池袋駅西口から歩いて約10分の住宅街にひっそりとたたずむ居酒屋「たまにはTSUKIでも眺めましょ」。こぢんまりとした店は14人入ればいっぱいに。食材はほとんどがオーガニック(有機栽培)です。

 この店のオーナーは高坂勝さん。8月28、29の両日に、静岡・藤枝市で開いた茶畑農コン合宿の東京側の主催者です。「農業に関心をもっている人も無関心の人も、田舎で過ごすことで新しい刺激を受けたはず。農家にとっても都会の人たちと触れ合うことで、再発見できたものもあるのでは」と振り返ります。

 大学卒業後、百貨店勤務を経て、7年前に居酒屋を始めました。「顔の見えるお客さんと会話し、情報を得て、また発信するのがいい」と言います。

 サラリーマン時代に比べて収入は半減し、生活スタイルも変わりました。数年がたち、店の経営にも余裕がでてきたころに実践したのは、店舗を改装したり、拡張したりするのでなく、休日を1日増やしたことでした。

 休日が増えた分、千葉や神奈川で田んぼを始めました。いまは稲刈りを終えて一段落。米価が1万円を切ろうとしているなか、「これでは米づくりをする農家がいなくなる」と、危機感をもっています。「農家と消費者を守るためにも、互いがつながり合うことが、社会を変えてゆくことになります」

 あくまでも、あこがれの農的なくらしで、小さく生きることをめざします。「ダウンシフト(減速)した生活を通して、社会的なメッセージを発信していきたい。それが私にとっての豊さです」

(新聞「農民」2010.10.11付)
ライン

2010年10月

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