「農民」記事データベース20101004-943-01

無責任な民主党政権
歯止めかからぬ米価下落

怒り爆発
今こそ百姓一揆だ

関連/APEC(アジア太平洋経済協力会議)対抗市民行動へ

 下落に歯止めがかからない米価。新米の価格にも連動し、JAの概算金(仮渡し金)は軒並み1俵60キロあたり1万円以下の水準です。こうした事態は、生産費を大幅に下回る低米価に苦しんできた農家の経営と暮らしを直撃しています。
 第二次菅内閣が発足し、新しく農水大臣になった鹿野道彦氏は、「買い入れはしない」「下落しても戸別所得補償で補てんされる」などと発言していますが、こうした政府の無策、無責任な態度が米価先安の不安感を強め、さらに米価下落の引き金になっています。
 いま、「怒りの声」が全国に満ちあふれています。


あゝ、これはまいったな
農業の行く末を暗示だ

画像 秋田・大潟村 坂本進一郎さん 下落は予想していたものの、1俵9000円まで落ち込むとは思ってもみなかった。これでは転作加工用米のモチ1万円より安い。こんな「あっ!」と驚く米価が、かつてあっただろうか。これで、われわれ農民の生産と生活は成り立つのだろうか。何だかこの米価は、日本農業の行く末を暗示しているように思えてくる。

 民主党政権は、過剰米40万トンを市場隔離してくれと、農業団体が連日のように要請しているのに、頑として耳を貸さなかった。その理由は、戸別所得補償があるからだという。だが、戸別所得補償制度で米価を完全に維持できるのか。否だ。農民と血の通わない民主党農政、戸別所得補償も徒花(あだばな)のように見えてくる。

 この5年間に農業人口は22%も減っている。農業蔑視の農政、軍事だけが優先の政治。こんな政治の中で、まじめに農業なんかやる気になれるものか。心あるものは、百姓一揆を起こそうではないか。

(9月10日、「怒りの決起集会」に寄せられたメッセージから)

下落分を補てんできない
「戸別所得補償」

画像 山形県・鶴岡市 阿部一雄さん 9月10日の怒りの農民行動の最中、22年産米の生産者概算金が地元JAから発表されました。主力品種が1俵60キログラム1等で、9000円とのこと。頭をハンマーで打たれたようなショックを覚えました。これではタダ働き同然です。戸別所得補償があるとはいえ、それは生産費を保障するものではなく、まして米価下落分を補てんできるものではありません。21年産米についても販売が苦戦していて、たたき売り状態とのことで、受け取っていた概算金も返還しなければならない状況にあります。米価暴落は政治災害です。

 「主食」の米の需給や価格にまったく責任を持とうとしない政府には、怒り爆発です。政治の貧困が、農家だけでなく地方経済にも大きな痛手となっています。米価暴落対策を直ちに行うように、さらに運動を強めていきたいものです。このことは、私たち米農家がいきていけるかどうかの大事な運動なのです。国の農政がどんなに貧困で、傍若無人なものであっても、私たち農民は絶対に負けません。全国の農民の皆さん、知恵と勇気を出してともにたたかっていきましょう。

大規模な農家ほど
米価下落は大打撃

画像 石川・羽咋市 三輪和良さん 米価下落は、経営を直撃しています。これだけ下落すると、10〜11月に支払いが迫っている資材代や借入金の返済など当面の資金繰りをどうするか、とても不安です。

 国は戸別所得補償で生産費との差額を補てんすると言いますが、生産農家にとっては自分の作ったものがまっとうな価格で売れることが生産意欲につながります。すごく高い米価を望んでいるのではありません。再生産ができる米価の実現、政府にはまずこれを望みたいです。

 米価暴落を放置したまま戸別所得補償に税金を注ぎ込むのではなく、備蓄米を買い入れるなどまずは米市場をしっかり引き締めてもらいたい。今の米価では、次の年も米を作り続けることができません。

 地域に若い生産者が減ってしまい、高齢化した農家からの受託耕作が増え、はからずも37ヘクタールを耕作する大規模農家になってしまいました。政府は大規模化を推進していますが、今の米価では、米以外の収入がない大規模農家ほど大打撃を受けています。このままでは貧乏になるために米作りをしているようなものです。

農業の正念場が来た、
これでは飯が食えねぇ

画像 福島・郡山市 橋本整一さん 今年の米の概算金を聞いた時「農業の正念場が来た。これではメシが食えねぇ」と怒りが込み上げてきました。

 このままでは小規模農家は切り捨てられ、大規模農家も採算の合わない経営を強いられ、ますます農業をやる人がいなくなってしまいます。私の住む石筵(いしむしろ)地域では、若者から年寄りまでの雇用を作り、そして地域を作ってきたのが農業です。政府が雇用を増やすというなら、農業を守ることが雇用につながるはずです。

 国民や農業をそっちのけで代表選に興じた民主党、農政に無策の政府に本当に怒りを感じます。


新潟
APEC
(アジア太平洋経済協力会議)
対抗市民行動へ

――食料安全保障大臣会合にあわせて
◇とき 10月16日(土)
◇内容 午後1時 国際フォーラム(韓国代表を迎えて)
    新潟市・NSG学生総合プラザ4階
    5時 提灯パレード
    6時30分 交流懇談会「菱風荘」

(新聞「農民」2010.10.4付)
ライン

2010年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2010, 農民運動全国連合会