「農民」記事データベース20100927-942-10

旬の味


 米の収穫にあわせて、もみ殻を豚舎の敷料にするため、稲作農家に行く日が続く。いつもは強気で有名な農家だが、今年は少し趣が違う▼「いよいよおれたちに百姓をやめろということだな」と弱音を吐く。「おいおい、そんな話は何年も前に言ってきたじゃないか」とは言えない。こっちにも人並みのやさしさはある。次に出てくるのは逃げ口上だ。「もう百姓はやめる」。やめられるものならやめてみろ。日本の百姓は、徳川さんの時代からこうして暮らしてきたんだから▼「集まろうぜ! 根性据えなおして」。ここからが本当のたたかいなんだ。我々の技術と知恵をもってすれば、動かせないものなんて何もない。農民連以外に百姓集団の中心にどっかりと座れる指導集団はほかにはない▼百人百様の仲間に目を配り、何でも聞いてやろう。グチも泣き言もすべて引き受けようじゃないか。長い長い無責任な農政が、ごまかしようもなく農村と国民の前に明らかになっている。夜明け前の漆黒である。

(倫)

(新聞「農民」2010.9.27付)
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2010年9月

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