第56回日本母親大会 in 福島
56回目を迎えた日本母親大会が8月28・29の両日、福島市で開かれました。全国から集まった1万3000人を超える女性たちの元気なこと! 情熱的なこと! 猛暑に負けない、熱気あふれる大会になりました。
ガンバって!
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サブアリーナで報告する久保田みき子さん(岩手) |
はじめは酪農家の佐々木光洋さんです。佐々木牧場では、ミルクプラントを個人で建設し、直接消費者に宅配するという、全国的にも数少ない「牛乳産直」に取り組んでいます。佐々木さんは、「安全でおいしい牛乳を、毎日飲める手ごろな値段で提供したいとがんばっています」と語りました。
ナシとモモを作っている果樹農家の安斎一寿さんは、頭にターバンを巻き個性的なスタイルで登場。「今年は猛暑で雨が少なく、実は小さめですがとても甘くできました」と話し、「楽しく農業することを大切にしています」と紹介しました。
梨のもぎとり体験に子どももにっこり |
13ヘクタールを耕作する稲作専業農家の加藤晃司さんは、「機械代だけでベンツが2台くらい買えます。でも広い面積を作るには、機械の力は欠かせません」と、大きな農業機械を説明。「ここは果樹地帯で、稲作農家は高齢化が深刻。ふるさとの農地を荒らしたくなくて、農業を継ぐ決心をしました。今後増えると思われる耕作委託にも応えられるよう、規模拡大できる農業のやり方を模索しています」と、しっかりとした口調で語りました。
稲穂が黄色くなり始めた加藤さんの田んぼを見学 |
3人を交えた交流会では、43年間コンビニを経営していたという埼玉県の女性が、「自分は新婦人産直の野菜を食べながら、コンビニの野菜は輸入品が多くて、日本の農業に危機感を抱いてきました。今日は若い生産者の“地域を守りたい”という思いを聞いて、こういう心が次の世代の農業を守っていくのだと心強く思いました。これからもがんばってください」と述べ、大きな拍手がわき起こりました。
この他にも「若い人が農業で楽しく生活できる、そんな農政にしなければと、痛感した」という声が続出。生産者が3人とも子育て中のお父さんということもあって、「出会いは?」「奥さんは農業をどう考えているか」など、農村の結婚難や後継者問題も大きな話題になりました。
安斎さんは「奥さんは農業をすごく応援してくれています。農業で生きていくことを誇りに思っています」と答え、加藤さんは「農業は夫婦じゃないとできないと思います。地域を活性化するには、いい夫婦がいっぱいいることだと思います」と回答。会場から「ガンバって!」という声が飛び出しました。
手作り豆腐、笹まき、かつおのやきつけ、ナスのズンダ和えなど福島県農民連女性部のお母さんが大奮闘して用意した郷土料理や、旬の野菜、果物がテーブルいっぱいに並びました。
メーンアリーナに登場したパネルを交流会でも披露 |
沖縄県から参加した中村喜美江さんは「初参加でしたが、みんなの話を聞けて元気が出ました。学ぶことは“耳ぐすい”(=人の話を聞くのは自分の栄養になるという沖縄の言葉)ね」と話してくれました。
[2010年9月]
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