本の紹介
小川水草著
句文集『水系の絆』
農業に主体的に取り組む人の
苦労、楽しさ、喜びを表現
神奈川県やJA全農で営農関係の研究と普及に尽力し、現在農業技術センターかながわ農業アカデミーの講師を務める小川政則さん(俳号・水草、相模原市南区在住)がこのたび句文集『水系の絆(きずな)』を刊行しました。
第1句集の『畔(あぜ)もぐら』(2003年)に続いて、2句集目となります。
俳句の形式を借りて、農の実情を訴えたいと、64歳から俳句を始めた小川さん。俳句サークルで交流の輪を広げ、9条の会や神奈川農業問題研究会の活動に献身的にかかわっています。
前作は、農の実情や厳しさを伝えることに力を注ぎましたが、今度の句集は、農業に主体的に取り組んでいる人たちにも焦点をあて、苦労、楽しさ、喜びを表現しています。
さらに「農指向」「直売所」「都市農業」などテーマも多岐にわたり、消費者にも農業の魅力をもっと知ってもらおうと、エッセーも交えつつ編集されています。
小川さんの俳句仲間で句誌『梟(ふくろう)』会員の深谷鬼一さんからは「『水系の絆』から匂(にお)い立ったものは、作者の積み重ねてきた農業、畜産、平和に対する愛情であり個性であり人生だと思います」とのメッセージが寄せられています。
小川さんは「農家にとっても困難な時期だからこそ、農民同士が絆を強めあうことが大事です。俳句を通じてさらに食と農の再構築の輪を広げたい」と話しています。
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本句文集は私家版で、希望する方には無料で提供しています。お問い合わせは小川さんまで。TEL・Fax 042(742)2253
(新聞「農民」2010.9.6付)
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