備蓄米買い入れせず
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新米の概算金を報じる8月12日付の業界紙「商経アドバイス」 |
このままでは2010年産の米価下落は底が知れず、新米が行き場を失うという指摘があるなかで、政府・与党に「下落対策をとれ」の運動を緊急に強めることが求められています。
農水省への要請では、戸別所得補償モデル事業の申請件数が132万件にのぼったことから、山田大臣が「これで米の需給は締まっていく。米価も維持される」と述べた問題について追及。「作付面積もわからないのに判断できるのか。米価は現実に下落している。加入申請の詳細を明らかにせよ。40万トン規模の備蓄米を買い入れよ」と怒りをもって迫りました。
農水省は「面積については8月中に数字は出す」と答えましたが、「米価下落については所得補償の変動部分で補てんできる。買い入れでの価格維持は、生産調整をしない農家に恩恵があり不公平だ。買い入れはしない」と言明しました。
参加者は「所得補償は、労賃部分を8割しか補償せず、生産費をカバーしていない」と指摘。「農水省がいま米価の下落を止めようという姿勢を示すことが大事だ。このままでは豊作が喜べない。買い入れを含めて検討を」と強く要求しました。
また内閣府へは、口蹄疫特措法に基づく基金の早期創設と被害を受けたすべての産業に対する全面補償を求めました。
この後、参加者は、民主党、自民党、みんなの党、公明党、共産党、社民党の国会議員事務所を訪れ、同様の要請を行いました。
部会では「備蓄本来の目的は、不足時における消費者への安定供給であって、過剰米対策や米価維持対策を目的とした買入れや売渡しを行うべきではないとの意見が大宗であった」とした上で、棚上げ備蓄については賛否両論を併記した意見を取りまとめました。
部会では生産者委員の冨士重夫JA全中専務が「豊作時は何もせず不作時には放出するというのでは市場に影響しないとは言えない」「備蓄米の売買には柔軟性も必要ではないか。戸別所得補償で米価が60キロ1000円下がれば、1000億円近い財政負担がかかる。米政策全体で財政負担を考えるべきではないか」と意見を述べ、米価安定対策の重要性を指摘しました。
[2010年8月]
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