「農民」記事データベース20100802-935-11

旬の味


 梅雨が明け、連日の猛暑に体がついていけない。田の草取りや追肥で肩も腰もへとへとだ。ひと雨降れば多少は涼しくもなるのだが、逆に畑の草が伸びてしまう(ハァ)▼文句を言うのは人間ばかりだ。草木はいつでも、自然の環境に合わせて成長し、大地にしっかりと根を張り、葉を広げ種を残していくことを繰り返している。ときどき、オレは何も手を出さないほうがいい作物ができるのではないかと思ってしまうことがある▼1から10まで手塩にかけて育てることが、本当にその作物にとって必要としていることなのか? 過保護なのではないか? まるで子育てのようだ。親が子を思うよりも、子が大きく成長していて驚かされることもしばしばだ。余計な手を出さず、よく見守り支える程度でよいのかもしれない▼夕暮れになると、田を渡る風が心地よい。稲の葉と出始めたばかりの穂が、風になびいている。あと1カ月もすれば実りの秋になる。そのころには、暑さでくたびれたことなど忘れていることだろう。

(竹)

(新聞「農民」2010.8.2付)
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2010年8月

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