「農民」記事データベース20100802-935-09

食糧主権が共通の要求
今後も友好を深めよう

福岡・若宮農民組合が韓国農家を訪問

画像 福岡・若宮農民組合の9人は7月15、16の両日、韓国・釜山(プサン)から車で2時間ほど西に位置する晋州(チンジュ)を訪れ、全国農民会総聯盟(KPL)に所属する慶南道農民連盟のみなさんと交流し、ナシ園と農協の集荷場を訪ねました。慶南道農民連盟のみなさんは昨年9月に日本を訪れ、若宮農民組合と交流しましたが、そのほとんどのメンバーが私たちを友好の握手で出迎えてくれました。


慶南道農民連盟と交流

ナシ園と農協集荷場を見学

 冷蔵のナシを試食

 韓国では、ナシを野菜のように料理に多く使います。年中出荷できるように冷蔵保存しており、昨年収穫した「新高ナシ」を試食しましたが、甘みも食感も日本のものと変わりません。栽培方法は、雑な植え方のようですが木を密植させ、たくさんの量を収穫しています。驚いたことに、ナシの袋かけに日本の古新聞が使われていました。「なぜなんだろう」と質問したのですが、ガイドさんにうまく通じなかったのか、答えは返ってきませんでした。

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ナシ園をバックに、韓国のみなさんと

 全土の60%に出荷

 また、農協の集荷場を視察しました。「長さ10センチほどの赤とうがらし(パプリカ)は、韓国全土の60%を出荷している」「8月から集荷するナシは、タイやマレーシア、台湾などに輸出している」などの説明がありました。

 赤とうがらしをベルトコンベアの前で選別している女性は、8時間から12時間も立ちっぱなしだそうで、「労働はきつくないですか?」との問いに、所長さんは「ハウスの中で収穫する人はもっと暑くてきつい仕事。選別はたいしたことはない」との答えでした。

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赤とうがらしの選別作業のようす

 悩みも日本と同じ

 夜の交流会では「なぜもっと長い旅行日程がとれなかったのか」と、残念がられました。韓国の農家も「後継者ができない。嫁が来ない」と嘆き、日本と似た事情があります。タイやベトナムから嫁とりをする国際結婚が主流になっているそうです。

 昨年日本に来られ、「みなさんはWTOやFTAをどう思われますか? 韓国ではアメリカとのFTAを迫られています」と質問された方が議員になっていました。「食糧主権という共通の認識で、今後も友好を深めていこう」と誓い合って、韓国をあとにしました。

(福岡・若宮農民組合藤嶋嘉子)

(新聞「農民」2010.8.2付)
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2010年8月

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