栽培から脱穀・精米まで
残ったワラでぞうりづくりも
大阪市の小学生が“米づくり”
城東区・中浜小 府農民連が協力
“よかった”子どもら生きいき
大阪市城東区の中浜小学校(児童数約300人、中村嘉孝校長)の5年生は、昨年度、お米の栽培からワラ細工まで一貫した授業に取り組みました。この授業には農民組合大阪府連合会も協力しました。
同校は府連事務所の近くにあり、周囲には農地がない住宅街。それでも3年前から、市が食育の一環として進める田辺ダイコンや天王寺カブなどの伝統野菜の栽培を校内の農園で始め、同時にコメ作りにも取り組んでいます。
5年生は2クラスで、山田智博先生と平朋子先生が担任です。収穫までの間に「お米マイスター」の松井吉次さん(やまとや米店・あすなろの会所属)がコメについて授業をしました。収穫後は、府連副会長の佐保庚生(つぐお)さんの指導のもと、大阪農政事務所から借りた機材を使って脱穀、精米を体験しました。
その後、先生から佐保さんに、「残ったワラを利用してワラぞうりづくりをしたい」と相談がありました。先生方が佐保さんの特訓を受け、2日間かけてぞうりづくりに挑戦。児童たちも熱心に作りました。
これらの取り組みは、授業参観で発表されました。一人ひとりが感じたことや思いを語り、「よかった、また作りたい」など、全員の感想とお礼の文が参観に参加した佐保さんに手渡されました。
先生方は「食べ物を作ってそれを食べ、残ったワラまで無駄にせず利用するという昔の人の生活が体験できてよかった」「普段の授業と違って子どもたちの表情が生き生きとしていた」と、苦労したかいがあったという様子。ワラにカビが生えるなどいろいろなアクシデントはありましたが、「総合学習をはじめ、家庭科や理科、社会科などの幅広い教材になった」と言います。
2人の先生は今年6年生を担任し、「いま大豆づくりに挑戦しており、豆腐づくりをしてみたい」と希望を話され、講師の紹介を頼まれています。佐保さんは「学校が近くなので、先生方ともっと連携し、子どもたちに食や農のことをもっと教えていきたい」と話しています。
(農民組合大阪府連谷田努)
(新聞「農民」2010.8.2付)
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