口蹄疫(こうていえき)
続報
宮崎からのリポート
県農民連 来住誠太郎
殺処分でもう何も残っていない
生まれたばかりの子牛も埋却場へ
7月8日、宮崎県日向市の繁殖農家を訪ねました。「もう(殺処分されて)何も残っていない。しょうがないけど、かわいそうやった」と、涙を流して話されました。奥さんは「最近、やっと起きてこれるようになった」と話していました。その後、2軒の繁殖農家(日向市と高鍋町)を訪ねましたが、まったく同じ話でした。そして、「殺処分の前日に子牛がうまれ、まだうまく立つこともできないので、トラックの助手席に子牛を抱いて埋却地へ連れて行った」という話には、胸をえぐられるような思いでした。
9日には、串間市で牛の一貫経営を行っている農民連の組合員を訪ねました。「(ここでは口蹄疫が発生しなかったが)殺処分された畜産農家のことを思うと胸が苦しくなる。肥育牛もいて一時的に出荷停止で困ったけど、殺処分されるよりはいい方だ。しかし、枝肉価格がキロ200円から400円も下がり、1頭あたり10万から20万円の収入減」と、厳しい顔で話してくれました。そして、畜産経営のコンサルタントが「殺処分された農家から毎日のように泣きながら電話が入る。70%の農家が再開したいという報道もあるが、被害補償も厳しいし、精神的なことまで考えると、現実は40%程度ではないか」と話していたそうです。
11市町で29万3896頭殺処分
4町で移動規制解除 終息まで油断は禁物
県内11の市と町で発生した口蹄疫で、約650戸の畜産農家で29万3896頭が殺処分されました。このうち、児湯郡4町(都農、川南、高鍋、新富)は、全域がワクチン接種地域となり、牛と豚が1頭もいなくなるという壊滅的な被害を受けました。この4町では、7月18日に移動制限が解除され、終息に向かいつつありますが、まだまだ油断は禁物です。
「宮崎のお肉を食べて支援」
ご協力ありがとうございます
受付8月末まで
「宮崎のお肉を食べて支援」にご協力、ありがとうございます。
6月25日の初注文をかわきりに、69件(7月26日現在)の注文をいただきました。代金の一部は義援金に充てさせていただきます。なお、「宮崎のお肉を食べて支援」は8月いっぱいまで受け付けています。引き続き、ご支援をお願いします。
注文をいただいた方から、手紙が届きました。一部を紹介します。「ステーキ肉を食べました。おいしかったです! 牛にも感謝、育ててくださった農家の人たちにも感謝です。食べるだけの貢献でしたが、私でも役に立てたでしょうか。本当においしいお肉でした。ぜひ自信を持って、これからも育て続けてください」
▼問い合わせ先 電話 0985(55)0399(県民ネットワーク)
▼申し込み先 ファクス 0985(54)5464
(新聞「農民」2010.8.2付)
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