創刊40周年を迎えた月刊誌
「食べもの通信」
心と体と社会の健康を高める
食の情報誌めざす
現場の視点、読者参加を重視
農民連とも協力・共同し自給率向上へ
月刊誌「食べもの通信」が創刊40周年を迎えました。「食べもの通信」は、安全な食べものと日本の食文化に根ざした健全な食生活への願いから、若い栄養士5人で結成した家庭栄養研究会の会報として、1970年7月27日に創刊されました。
当時は、森永ヒ素ミルク事件など有害食品が社会問題になっていました。創刊号から編集に携わっている増子弘美さんは「生命と健康のみなもとであるはずの食品そのものが、もうけ主義の下で、私たちの生命と健康を脅かすものとなっていた。特に子どもたちの命を守るために、単なる食の情報誌ではない『心と体と社会の健康を高める食生活』を実現したかった」と話します。
40年の間には、何度か中断の危機があったそうです。特に2008年には定期購読者がピーク時から半減し、財政的に苦しい状況に追い込まれました。しかし、昨年7月号から編集体制を刷新し、誌面のリニューアルでなんとか乗り切り、現在では毎月少しずつ読者が増え、全国100カ所以上の書店でも置いてもらえるようになりました。「札幌の書店で、『暮らしの手帖』というビッグな雑誌の隣に『食べもの通信』が並んでいるのを見た時は、本当に感動しました」と増子さん。
編集委員長の岡本昭子さんはじめ編集委員10人は、学校や母親運動など自分のフィールドを持ちながらボランティアで編集に携わり、現場の視点からどんなことが問題になっているのか話し合い、読者目線でとらえ、読者が参加できる雑誌にしようと取り組んできました。最近、好評だった特集は「がん予防・治療 食事で自然治癒力アップ」や「ちょっと待ってスイーツブーム、砂糖とり過ぎで免疫力低下」など。読者から「『食べもの通信』に出合えて本当によかった」といううれしいファクスが届いています。
家庭栄養研究会会長の阿部五百(いお)子さんは「農民連の方々とも協力・共同しながら、生産者と消費者が手を結び、食料自給を高めることをおおいに提言していきたい」と話しています。
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家庭栄養研究会会長の阿部さん(左端)、そのとなりが岡本編集委員長、右端が増子さんほか編集委員のみなさん |
▼「食べもの通信」の定価は505円(税別)、年間購読料6900円
▼申し込みは、TEL 0422(26)6961 FAX 0422(26)6962まで
(新聞「農民」2010.7.26付)
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