「農民」記事データベース20100726-934-05

参議院選挙をたたかって
《手 記》

農民連常任委員・秋田県連委員長 佐藤長右衛門


“野良の叫びを国会へ”心一つに
全国の仲間と強い絆 持てる力を出し切った

 このたび、参院選比例代表候補者として活動した際には、多くのみなさまから心あたたまる励ましとご支援をいただき、厚く感謝申し上げます。

 立候補表明後、短期間でしたが、東北、東京、大阪、京都、北海道に足を運び、公示後は、地元秋田を中心に東北地方を遊説しました。初めての候補者活動でとまどいもありましたが、持てる力を出し切ってたたかいぬくことができました。これも、ひとえに「野良の叫びを国会へ」と全国の仲間と心をひとつにした強い絆(きずな)があったからです。

 行く先々で、「現役の農民が立ってくれてありがとう」と言われました。街宣後の聴衆との握手では、そのごつい手の握る強さと長さ、深いしわの表情から、計り知れない農民の苦悩が伝わってきました。長い間、農業破壊をじっと堪え忍んできた怨念(おんねん)が堰(せき)を切り、祈りにも似た訴えが、私の胸をかきむしりました。同じ思いをもつ農民として、いっそう奮い立ったのでした。

 農山村の疲弊は想像以上で、地方都市の衰退も目が当てられないほどでした。地域経済の柱である農業の存在がいかに重要か、あらためて思い知りました。人間の生存にとって何より大切な食糧を生み出す農民、農業、農山村が、一番粗末に扱われている政治に激しい怒りを覚えました。

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福島県浅川町で農家の女性から激励を受ける

 中山間地をまわっていて、ハッとさせられたことがあります。条件のよくない田んぼにもかかわらず、畔(あぜ)の草はきれいに刈られ、大事に米が作られているのを見て、“これぞ農民の真の姿だ、農民こそ国民の「生命維持装置」だと言われる所以(ゆえん)だ”と合点がいきました。

 今回の選挙では、消費税、米価、農産物輸入自由化等の問題と、日本農業再生政策を重点的に訴えました。そして「村々に赤ん坊の元気な泣き声が聞こえ、希望を持って農作業に励める農村を一日も早く取りもどそう」と話すと、みんなうなずいて聞いてくれたのが印象的です。

 主張した課題と要求は、国民から必ず理解され、共感されるだろうと確信します。公約実現めざして、今後も草の根でがんばっていきたいと思います。貴重な体験をさせていただいたことに心からお礼申し上げます。

(新聞「農民」2010.7.26付)
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2010年7月

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