コウノトリは親善大使
共生の輪が広がっている
兵庫 豊岡市が“実践”を紹介
兵庫県豊岡市、新潟県佐渡(トキ)など自治体も生物多様性の保全に重要な役割を果たしています。コウノトリの野生復帰に取り組む豊岡市は7月7日、市の観光や産業をピーアールする「豊岡エキシビション2010」を東京・秋葉原で開きました。
中貝宗治市長が「コウノトリと共に生きる〜豊岡の挑戦〜」と題して講演し、同市がめざす「小さな世界都市」の実現に向けて、(1)受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ(2)環境都市「豊岡エコバレー」を実現する(3)情報発信戦略―の3つの課題の取り組みを紹介しました。
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「コウノトリ育む農法」の米をアピール=7月7日、都内 |
次に「コウノトリと生物多様性」のテーマで、中貝市長と、NHKエンタープライズ自然・科学番組エグゼクティブ・プロデューサーの小野泰洋氏が対談しました。
小野氏が「種の多様性保全、持続可能な農業、コウノトリ再生の取り組みを生かした経済活動など、豊岡の実践は、新しいものを生み出している」と紹介しました。
これに対して中貝市長は、生物多様性に配慮した「コウノトリ育(はぐく)む農法」を実践することで、農家が生物多様性の保全にめざめ、自然の中にいる自らの立場を認識できたこと、育む農法で作ったお米やバウムクーヘン、お酒などで地域産業の振興に役立っている様子を報告しました。
さらに豊岡のコウノトリが、「コウノトリを呼び戻す農法」を行っている福井県越前市や、トキの再生に取り組む新潟県佐渡に舞い降りた例をあげ、「コウノトリが“親善大使”になり、生物多様性の輪が広がっている」と述べました。
豊岡市は10月のCOP10で、展示ブースを設けるほか、「コウノトリ未来・国際会議」を開催して、同市の取り組みをアピールします。
(新聞「農民」2010.7.26付)
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