本の紹介
天笠啓祐・著
生物多様性と食・農
生物多様性の危機の元凶
多国籍企業の活動を暴く
10月に名古屋市でCOP10(第10回生物多様性条約締約国会議)とMOP5(第5回カルタヘナ議定書締約国会議)が開かれます。
生物多様性とは、地球にすむさまざまな生物が、それぞれお互いにつながり合いながら、存在することです。
生物多様性条約は、国や企業などによる開発や活動によって破壊されてきた地球の自然を守るために作られた条約です。その条約のなかで、とくに規制を強化する必要に迫られたのが、遺伝子組み換え作物などのバイオテクノロジーを利用して進められる生命への改造行為で、そのためにカルタヘナ議定書が作られました。
遺伝子組み換え作物が、生物多様性を破壊しながら面積を拡大し、その種子を支配する多国籍企業によって、食と農への支配が強まっています。こうした実情を広く明らかにすることが求められています。
COP10・MOP5では、内外から多くのNGO、環境保護団体、市民団体が結集し、集会やデモによって、条約締約国などに対し、課題の解決に向けた提言やアピールを発信する予定です。
本書は、生物多様性とは何かを明らかにし、その危機の元凶にある多国籍企業の活動を暴きながら、COP10・MOP5の争点や運動の取り組み方などを丁寧に論じています。
定価=1900円+税
注文・問い合わせ=緑風出版 TEL 03(3812)9420、Fax 03(3812)7262
(新聞「農民」2010.7.19付)
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