「農民」記事データベース20100719-933-02

京都府農民連が府議会議長に陳情

鳥獣害対策の抜本的強化を

今年の国の交付金地元要望のわずか22%

関連/「更正の請求」で所得税が還付


 京都府農民連の安田豊会長はじめ役員は6月17日、京都府議会議長に888筆分の署名を添えて「鳥獣害対策の抜本的強化を求める陳情書」を提出しました。

 2008年度の京都府の鳥獣による農作物被害額は7億4400万円、面積では830ヘクタールにおよび、農業産出額あたりの被害額でみるとダントツの全国一です。鳥獣害対策は、農業・農村を守る上で喫緊の課題です。

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中山間地に設置された防護柵

 国は、こうした深刻な鳥獣害を防ぐために、2007年に鳥獣害対策特別措置法を制定し、市町村被害防止計画に基づいて鳥獣害防止交付金を交付してきました。ところが民主党政権は、昨年秋の「事業仕分け」で「鳥獣害対策は国ではなく自治体の責任」という理由で予算を削減。京都府でも、今年の交付金は昨年度より6割も少ない2175万円に減らされました。しかし、京都府が市町村の要望をまとめて国に提示した金額は9800万円で、地元の要望に対してわずか22%の配分でしかありません。

 こうした事態を受けて、京都府は国に追加割り当てを要望するとともに、府独自の取り組みとして、地域ぐるみのサル被害対策や防護柵(さく)の設置などの対策費として700万円の補正予算を6月議会に提出しました。特に、サルによる被害が深刻な地域を「サル激甚被害地」に指定し、モンキードッグ(犬)の養成やサルの群れを知らせる警報システムの導入に補助するなど、サル防除対策を強化しています。

 農家のやる気と集落の活力をなくす鳥獣害への対策は待ったなしの課題です。

(京都府農民連 安田政教)


「更正の請求」で所得税が還付

住民税・国保税も大幅減税に
青森・津軽農民組合の2人“とても助かった”

 青森県農民連・津軽農民組合では、納めすぎた税金を返させる「更正の請求」(原則として申告期限の翌日から1年以内)に取り組んでいます。この間、「更正の請求」をした2人の組合員に、黒石税務署から本人請求どおりの決定通知が来て、所得税が全額還付され、住民税と国保税が大幅減額になりました。

 きのこ栽培をしているTさんは、「国保税などの負担が重い」と税金相談のなかで1月に農民組合に加入しました。今年の申告の準備をしながら、平成20年分の収支計算を見直した結果、ビニールハウスの灯油代やハウス・機械の減価償却、家事関連の案分などの経費が落ちていることがわかり、所得は当初の130万円余から29万円余に下がり、3月に「更正の請求」をしました。Tさんは「平成20年は油代などが高騰し、シイタケの価格も中国産に押されて低迷するなど、経営はたいへんでした。所得税が還付され、住民税や国保税も大幅に減額になってとても助かっています」と喜んでいます。

 また、組合員の紹介で訪問したMさんは「毎年、税金や国保で70万円もとられて、もう限界」と農民組合に加入し、今年申告したばかりの平成21年分の収支計算を見直してみました。Mさんの場合、「役場申告」で減価償却や人夫賃、家事関連の案分などの経費をいっさいとっていないことがわかり、「更正の請求」をしました。Mさんは「来年の申告からと思って農民組合に入ったのに、まさか国税まで還付されるとは思っていなかった」と話しています。

(新聞「農民」2010.7.19付)
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2010年7月

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